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2010年3月20日号
よみがえれ!江戸東京・伝統野菜
第10回 亀戸大根
亀戸大根は30㎝程度の短い大根で、先がクサビ状にとがっているのが特長。江東区亀戸にある香取神社周辺では、文久年間(1861~64)の頃に栽培が始まり、お多福大根と呼ばれ、以来、明治時代にかけて盛んに栽培された。この地は荒川水系によってできた肥沃な粘土質土壌であったため、肉質が緻密で白く冴えた肌の大根づくりに大変適していたのである。早春に収穫される亀戸大根は浅漬けにして美味しいことから、その時期に大根などがない当時のこと、江戸っ子から大いに重宝がられたという。
その後は宅地化が進み、産地が江戸川区や葛飾区などに移ってから亀戸大根と呼ばれるようになった。現在では地元の商店街や町内会が協力し、亀戸大根を復活させようと、亀戸地区の各小学校で児童が栽培している。
その亀戸大根を奉納する祭りが「福分けまつり」として行われるようになり、今年で11回目を迎えた。3月7日、約500本の亀戸大根と亀戸大根を使った味噌汁が来場者に振舞われた。早春の冷たい雨の中、ほんのり甘い大根とほろ苦い葉が入った味噌汁は、心も身体も温まる逸品だった。
お詫びと訂正
本記事でご紹介した亀戸大根を使った料理「亀戸大根の簡単手まり寿し 」の作り方はこちらをご覧ください。