注目選挙区の行方は?2017年05月20日号
東京都議会選挙に向けた各党の動きが活発化するなかでも注目される選挙区(千代田区、大田区、北多摩第3、八王子市)の現状をクローズアップ。
千代田区(定数1)
千代田区では、長年都議を務めた都議会の重鎮、内田茂氏(自民)が引退を表明、新人同士の戦いとなる。
今年1月、都議選の前哨戦となった区長選が行われ、自民が推す新人に対し、小池知事が支持する現職が圧勝している。都議選でもその構図が続くのかが大いに注目される。
自民は内田氏の後継に、公募で選ばれた候補を擁立、議席の維持を狙う。女性候補を擁立することで、これまでのイメージを一新、幅広い層からの支持を得たい狙いがありそうだ。
内田氏と対立してきた小池知事が特別顧問を務める都民ファーストの会は、同会都政改革委員の候補を擁立する。
公明党東京都本部や連合東京の支持を受け、議席確保を狙う。
民進や共産が候補者を擁立するかはまだ不明だ。
北多摩第3(定数3)
北多摩第3は調布市と狛江市が選挙区。これまで定数は2だったが、今回は都議会の定数改正において定数3と改められた最初の選挙。
自民は現職を公認、公明との選挙協力が断たれた今回は、知名度のアップと組織の引き締めが不可欠か。
無所属の現職は4月に民進党を離党している。民進党の低迷に危機感を覚え都民ファーストの支援を得たい考えだ。
公明は都議会や党東京都本部の幹部を務めるベテランの現職が世田谷区から鞍替えして出馬。都民ファーストの会の推薦も得ており、議席を獲得できるか関心が集まっている。
共産は新人として市議を擁立する。平成25年の選挙で約1万6千票を集めたが今回も票の上乗せが課題か。
大田区(定数8)
大田区は定数が8と最大の選挙区。現段階で自民3、公明2、民進1、共産2、都民ファースト2、日本維新1の9名が出馬を表明。
自民は今期限りで引退する現職1名を除いた現職3候補を擁立。今回は守りの選挙となることが必至。
公明は現職2名を擁立する。今回、都民ファーストの会からの推薦を得たことで弾みを付けたいところ。
民進は新人1名を擁立。低迷する党の支持率の影響を受け苦戦を強いられそうだ。
共産は現職1名が引退するため、新人候補2名を擁立する。かつて2議席を確保していた時期もあるが、どこまで票を伸ばせるか。
日本維新の会は現職を擁立。豊洲の早期移転を訴えている。
都民ファーストの会は元職と新人の計2名を擁立する。元職は平成21年の都議選で旧民主党の公認を得て千代田区から出馬し初当選。その後、党や選挙区を変え今回は大田区からの出馬。新人候補は民進党を離党し都民ファーストから出馬。
八王子市(定数5)
多摩地域で最大の定数5を有する八王子市。これまでのところ、自民が新人2名、公明と共産はそれぞれ現職1名、民進が新人1名、都民ファーストが現職の他に新人1名を擁立する。
自民の新人候補2名はいずれも市議会議員。平成25年の都議選で約6万1千票を集めている。今回はそれを上回る得票数が求められることになりそうだ。
公明は都議会幹事長の現職を公認する。平成25年の都議選では4万5千票とトップ当選を果たした。今回、都民ファーストの会の推薦を得て5期目の当選を目指す。
民進は新人候補として市議を擁立、議席の奪回を目指す。
共産は現職を擁立、6回目の当選を目指す。保守地盤の八王子にあっても平成25年の都議選では約2万8千票を集め安定している。
都民ファーストの会は現職と新人の計2名を擁立する。現職は平成25年の都議選で約2万1千票を集めたが、2名当選のハードルは高そうだ。
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