豊洲百条委、関係者に尋問2017年04月20日号
築地市場の豊洲地区への移転が決定した経過などを調査する百条委員会、「豊洲市場移転に関する調査特別委員会」は2月22日に設置され、以後4月4日までに東京都の歴代市場長、東京ガス関係者をはじめ、東京ガスとの用地交渉を担当した浜渦武生元副知事、石原慎太郎元知事、前川燿男元知事本局長、赤星経昭元政策報道室理事などに対する証人尋問を行ってきた。浜渦氏が東京ガスとの交渉に関して偽証した疑いがあることから告発すべきとの意見もある。これに対し浜渦氏は10日の会見で反論しており、今後の特別委員会の判断が注目される。
浜渦元副知事に偽証の疑い
浜渦氏は平成12年、石原都政時代に副知事に就任、平成13年7月の東京都と東京ガスとの基本合意締結まで用地取得交渉を担当してきた。
土壌汚染対策については「基本合意以降のことはわからない。後は赤星理事に預けた」と証言した。しかし平成15年5月22日付けで豊洲地区の汚染対策に関する文書が都の部長3名の連名で提出されていることについて問われると「受け取った記憶はない。そもそも部長3名の連名ということはありえない。局長が報告に来るだろう」と否定した。
一方、4日の証人尋問に立った前川元知事本局長は、「豊洲問題の実際の最高決定権者は浜渦氏だった。その責任を他に預けるということはありえない。赤星理事がどういう意味でやっていたのかはわかりかねる」と浜渦氏の証言を否定した。
前川氏はさらに「石原知事が登庁しない中、浜渦氏が石原知事の分身として権力を握っていたのは事実だ。自分の所管する局は勿論、それ以外の局についても特定の部課長を直接指示していたのは紛れもない事実だ」と証言、当時の都庁の混乱を振り返った。
新たな土壌汚染が発見されても東京ガスに追加負担を求めない、いわゆる瑕疵担保責任の免責について石原知事が「記憶にない」と証言したことについて前川氏は「知っていたか知らないかということと責任は別だ。仮に知らなかったとしてもそれは知事の責任を免れるものではないと思う」と証言した。
浜渦氏から東京ガスとの交渉を引き継いだとされる赤星氏が移転交渉に関与していたのは平成13年6月末まで。東京ガスとの基本合意に関しての確認書について4日の証人尋問で問われると「確認書は知らない」と証言、存在を否定した。
「確認書を知らないということは偽証にあたる可能性がある」との追及には、「私は6月27日まで休暇を取っている。28日と29日の2日間で(異動の)引き継ぎを行っており、東京ガスの幹部が来られても長い時間会っていたとは思えない」と再度否定している。
繰り返される赤星氏の関与について「後任に引き継いでおり、後任が印鑑を押している」と語気を強めて反論した。
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