都議会第1回定例会閉会2017年04月20日号
都議会第1回定例会は3月30日、最終本会議を開き、平成29年度一般会計予算案など知事提出の全89議案を可決したほか、「工業用水道料金の減免措置に関する決議」など決議1件、意見書4件を採択し閉会した。28日の予算特別委員会では、自民党が中央卸売市場会計とその補正予算に対する組み換え提案をおこなったものの、採決の結果、反対多数で否決されている。豊洲市場への移転を早期に実現したい自民党だったが、公明をはじめとする他会派の賛同が得られず孤立化する形となった。
議案に対する各会派の賛否では、一般会計予算案が起立総員で可決された。これまで一般会計予算案に反対してきた共産がおよそ40年ぶりに賛成している。その理由について共産は、本会議での討論の中で「福祉、教育などいくつかの分野で、都民の願いを反映した施策の重要な前進があったこと、そして今後さらなる施策の前進を期待しうる知事答弁があった」と評価している。
一方、中央卸売市場会計予算案には維新のみが反対した。
維新の柳ヶ瀬裕文代表は、豊洲市場移転への早期決断を訴えていることから「築地市場の存続を前提としている『中央卸売市場会計予算』に反対する」とのコメントを発表している。
なお、共産などが議員提案した「東京都シルバーパス条例の一部改正案」は、自民と新風自民を除いた賛成多数で継続審査となっている。
自民の決議動議を否決
最終本会議の冒頭、自民が市場移転に関する決議を提出する動議を提案したが、採決の結果、自民と維新の賛成少数で否決された。
決議の内容は(1)知事は市場移転について早期に決断すること(2)知事は結論が出るまでの間、築地市場の安全・安心を十分に確保すること(3)都内にある全11の中央卸売市場の課題についても、万全の対策を講じること—の3点が柱。
予算特別委、全予算案を可決
自民と共産の組み換えは否決
一般会計予算案など予算案27件を集中審議してきた予算特別委員会は3月28日、討論・採決を行い、全予算案を賛成多数で可決した。
今回の討論・採決では、毎回、組み換え提案を行っている共産のみならず、自民も中央卸売市場会計予算とその補正予算に対する組み換え提案を行った。
自民の組み換え案の内容だが、豊洲市場への移転時期が明確でない中、築地市場で働く市場関係者や観光客の安全性を確保するための取り組みが不十分であること、市場関係者に生じている損失の補償に問題があることから、中央卸売市場会計予算において、築地市場内の土壌汚染に関する調査経費等に1億円を増額する他、築地市場の安全性強化のための市場営繕費に3億円を増額、アスベスト対策工事に2億円を増額、計6億円の増額となる。
補正予算案については、豊洲市場への移転延期に伴う市場関係業者への補償金として47億円を増額する。
自民の組み換え案に対して他会派からは、「中央卸売市場会計予算の組み替えは必要になったら補正を組めば良いものであり反対」など批判的な発言が寄せられ、賛成は自民のみで否決された。
共産の組み換え案は、住民の強い反対がある幹線道路整備費用など1953億円を削減し、福祉をはじめとする都民施策の拡充のために830億円を充当するもの。賛成は共産のみで否決された。
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