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局長に聞く101 財務局長2017年04月20日号
財務局長 武市 敬氏
東京都の各局が行う事業を局長自ら説明する「局長に聞く」。今回は財務局長の武市敬氏。小池知事にとって初の編成となった平成29年度予算では、編成過程の透明化など、これまでにないさまざまな試みが行われた。知事の掲げる「ワイズスペンディング」を支える同局の取り組み、職員への期待などを聞いた。
(聞き手/平田 邦彦)
一般会計、44年ぶりの全会一致
—昨年7月に財務局長に就任されて約9ヵ月、知事の交代もあり、たいへんだったのでは。
これまでの都庁人生の中でも、最も密度の濃い期間であったかもしれません。あっという間の9ヵ月でした。仕事のコアの部分は変わらないのですが、知事が代わり、大きな方針が変わることによって、仕事の中身や進め方の変化というものが多々ありました。
—平成29年度予算がまとまりました。
小池知事になって最初の新年度予算ということで、知事も非常に力を入れておりましたし、注目度も高いということで、例年以上に緊張して取り組みました。
今回の予算編成では、プロセスの透明化を図るため、私たちの査定状況を公表したり、各党予算要望や団体ヒアリングをネット中継したりと、今までと違った取り組みをしました。
そうした中で知事が公約で掲げた施策や、「2020年に向けた実行プラン」に盛り込まれた施策をすべて予算化することができ、プロセスにおいても中身においてもこれまでと非常に違った、新鮮味のある予算案が編成できたと思っています。
その予算案が都議会の審議を経て、全会計が無事に成立し、ほっとしています。とくに一般会計が44年ぶりに全会一致で可決されたことは非常にありがたかったですね。
—知事が力を入れている「無電柱化」に向けての予算付けはいかがですか。
都内の電柱をすべて無くすことが目標ですが、予算を組めばすぐにできるというものではなく、区市町村道については、区市町村の協力のもと、一緒にやっていかないとできません。
そこで、平成29年度予算では区市町村に新たな補助制度を設けると同時に、平成28年度補正予算で「無電柱化推進基金」を新設して700億円を積み立てることで、将来に向けた安定的な財源を確保しました。これにより、単年度の取り組みと将来に向かっての取り組みの二つの政策を打ち出せたと思っています。
—当面の課題としてはいかがですか。
やはり「東京2020年オリンピック・パラリンピック競技大会」を成功させるということが、中期的なスパンでの最大の課題ですから、その取り組みを加速していかなければなりません。
また、今まさに待機児童の問題が各メディアを賑わせていますが、「待機児童」という言葉を死語にするというのが知事の公約ですから、今回の予算でも大胆に踏み込んで積極予算を組んだところです。
平成29年度を新たなスタートとして、今後も短期間で集中的に予算配分していかなければならないと思っています。
若手職員の発想に期待
—先日、「入札契約制度改革の実施方針」が発表されました。
入札制度改革は財務局にとって非常に大きな案件ですが、一方で、すべての課題に100%応える入札制度はおそらくできないだろう、ある意味二律背反するようなテーマを背負った事案だと思っています。
今回は、大きく分けて、四つの方針を打ち出しています。
第一に、予定価格の事後公表への切り替え。第二に、現行のJV結成義務の撤廃。第三に、1社入札の中止。第四に、低入札価格調査制度の適用拡大—というものです。
—今後の取り組みとしては。
この四つの見直しをまずは財務局として6月を目途に実施し、全庁については10月を目途に実施していく予定です。今回の取り組みは改革の第一弾ととらえており、実施をしていく中で、見直す点があれば見直し、第二弾の改革につなげていきたいと思っています。
その際の大事な視点として(1)健全な競争が担保されているかどうか(2)品質の確保はきちんとできているのか(3)中小企業の保護・育成につながっているか(4)不調率がどう推移しているか—の四つが検証にあたってのポイントになります。
—最後に職員に対する期待を。
今回、平成29年度予算案について多くの皆さんに知っていただこうと、説明資料も増やし、二つの小冊子(小学生対象と一般の人対象)を作成しました。また、メリハリ予算のキャラクター「メリーちゃん」「ハリーくん」を制作しましたが、これらはすべて若手の職員の手によるものです。これを一つのきっかけに多くの若手ががんばってくれればと期待しているところです。
4月には28名の新規採用職員と局間交流で一般職員40名が財務局に入ってきました。437名の中の68名ですから、こうした若い力、新鮮な空気を大事にしていきたいと思っています。
一方で、部長級職員は全員同じ布陣となっていますので、豊富な経験を持っている人間と新鮮な発想を持った若い職員のいわばハイブリッドな体制で仕事を進め、いろいろな課題を全員体制で乗り越えていく決意です。
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