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NEXT東京街づくり 第6回 豊島区2017年04月20日号
豊島区
文化を基軸としたまちづくりによって、従来のイメージを一変させ、生まれ変わった豊島区。「国際アート・カルチャー都市」を目指し、さらに大きく歩みだそうとしている。国際アート・カルチャー都市とはいったいどんなものだろうか。
(取材/山下 里美)
アート・カルチャーが基軸の都市再生
「豊島区は多様な文化を有しています。文化を楽しむために多くの人が訪れるようになると、そこに賑わいが生まれます。まちの安全・安心は、誰もが文化を楽しむためには欠かせません。そこで豊島区は官民一体となって、安全・安心なまちづくりに取り組みました」
区が取り組んできた「文化創造都市づくり」と「安全・安心創造都市づくり」。この二つのまちづくりの集大成こそが「国際アート・カルチャー都市づくり」。「まち全体が舞台の誰もが主役になれる劇場都市」をコンセプトに、これまで培ってきた豊島区らしい文化の魅力を世界に発信しようというものだ。
旧庁舎跡地に新たなランドマークも誕生
2014年に、文化芸術の最先端で活躍する11名を、国際アート・カルチャー都市プロデューサーに任命。2015年3月には、国際アート・カルチャー都市構想を策定した。また同年7月に、特定都市再生緊急整備地域、8月に国家戦略特区の地域指定を受けると「国際アート・カルチャー都市」実現に向け、さまざまなプロジェクトが動き出した。
その一例が、隈研吾氏がデザインを監修した、マンション一体型の新庁舎だ。新たな財政負担をせずに建てられたことでも注目を浴びたが、池袋駅東口の人の流れを変えたともいわれている。
そして、旧庁舎跡地の開発も本格的にスタートした。オフィス棟、新ホール棟、豊島区新区民センターの3つの建物から成り、合計8つの劇場を有する新しい文化賑わい拠点となる大型複合施設がそれで、2020年グランドオープン予定だ。愛称も公募により「Hareza(ハレザ)池袋」に決定した。3年後のオープンではあるが、劇場のこけら落とし公演は1年半先まで決まっているというから、その注目度の高さがうかがえる。
まち全体が舞台の
誰もが主役になれる劇場都市
池袋駅周辺では、公園などの整備も着々と進んでいる。
「南池袋公園では、芝生の広場を舞台にして主に日本の伝統芸能を発信、2019年にリニューアルオープンする中池袋公園では、コスプレなどサブカルのイベントなども行います。また、同時に池袋西口公園は、“池袋西口エリアの顔”となる野外劇場に生まれ変わります。造幣局跡地にできる新公園は、スポーツイベントにも対応できる大きな公園となる予定です」と馬場さん。基本理念の「まち全体が舞台の誰もが主役になれる劇場都市」にふさわしく、各公園の個性を活かした誰でも参加できるイベントを、土・日曜や祝日に行い賑わいを創出するという。
また、各公園を結ぶ交通システムの導入や、池袋駅の東西をつなぐデッキ整備なども検討されており、池袋駅周辺の再開発構想は目白押しだ。
今年から「東京アニメアワードフェスティバル」や、東京国際映画祭の併設企画「TIFFCOM」(コンテンツ マーケット)といった映画関連のイベントも池袋での開催となった。2020年までに映画のスクリーンが39に増えるというから、まさに映画の街「池袋」としての面目躍如である。 国際アート・カルチャーまちづくりには、昨年から特命大使という形で区民も参加しており、すでに1000名を超える特命大使が誕生したという。
「豊島区は国際都市東京の一自治体ではありますが、2020年のオリンピック・パラリンピックの際には、アート・カルチャーの拠点として、海外から多くの人が訪れるまちになっていると思います」と馬場さんは力強く語ってくれた。
タグ:豊島区 文化創造都市づくり Hareza池袋