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局長に聞く99 建設局長2017年02月20日号

 
「実行プラン」の目標達成にまい進

建設局長 西倉 鉄也氏氏

建設局長 西倉 鉄也氏

 東京都の各局が行う事業を局長自らが説明する「局長に聞く」。今回は建設局の西倉鉄也氏。小池知事が推進する無電柱化の展開、オリパラ競技施設の整備状況、インフラの整備と維持のありかたなどについてお話を伺った。

(聞き手/平田 邦彦)

無電柱化推進の条例案を策定

—「2020年に向けた実行プラン」における建設局の事業は。

 今回の4ヵ年のプランでは、これまで以上に建設局事業が掲げられました。東京ひいては日本の持続的成長にとって、建設局の果たす役割は非常に大きいということで、身の引き締まる思いです。

 「セーフシティ」では無電柱化、木密地域の特定整備路線の整備、インフラの耐震化、土砂災害対策、豪雨対策、予防保全型管理の推進、多摩山間・島しょにおける代替ルートの整備などが取り上げられました。

 「スマートシティ」では、三環状道路、骨格幹線道路などの広域的道路ネットワークの整備の推進はもちろん、LED照明の導入や暑さ対策のための遮熱性舗装、公園や街路樹の整備、水辺の緑化など自然環境の創出・保全などの推進といった、局主要事業が盛り込まれています。プランの事業は定められた年次までに目標を達成するよう、局一丸となって取り組んでいきます。

—知事が力を入れている無電柱化事業の今後の展開はいかがですか。

 無電柱化の推進は、実行プランの中でも目玉の事業だと心得ています。

 これまでも、無電柱化推進計画に基づき、センター・コア・エリア内を重点的に整備し、計画幅員で完成したエリア内の都道は2019年度までに事業完了予定です。今後は、区市町村道の無電柱化も一層促進します。

 新たな取組として、昨年成立した無電柱化推進法の内容を踏まえた条例案を策定します。条例には、都が管理する道路を対象に、無電柱化を計画的に進めていく方策などを盛り込む予定です。併せて都道全線で電柱の新設を原則禁止とします。

 また、区市町村道の無電柱化について、先駆的に浅層埋設等の低コスト手法を導入する路線や、推進計画策定に対する財政・技術支援を拡充します。今後とも、関係事業者と連携しながら、コスト縮減による無電柱化の一層の推進に取り組んでいきます。

—福岡市の道路陥没事故をきっかけに、インフラの維持管理に関心が高まっていますね。

 道路の維持管理は、日常的な巡回点検に加え、定期点検等により状況を的確に把握し、点検結果に応じて対策を実施しています。道路陥没を未然に防ぐため、大型の埋設物がある路線などを対象として路面下空洞調査を実施し、空洞を発見した場合には充填を行うなど適切に対応します。

 建設局では、施設の損傷や劣化が進行する前に適切な対策を行い、補修費用の低減や更新時期の平準化を図る「予防保全型管理」を橋、トンネル、地下調節池などにおいて既に導入しています。

 今後は、道路擁壁や砂防施設など他の施設にも拡大し、持続的な安全性の確保と補修費用のコスト縮減を図り、インフラが本来持つストック効果を十分に発揮できるよう最善を尽くします。

 

女性や若者の入職を促進

—東京二〇二〇大会に向けて、建設局が取り組む事業の進捗状況は。

 建設局が整備する競技会場は2会場で、カヌー・スラローム会場は本体工事の契約案の第2回都議会定例会への付議に向け準備を進めており、アーチェリー会場は予選会場の盛り土工事を進めています。今後、一層のコスト縮減を図りながら期限までに完了するよう取り組みます。また、道路の暑さ対策やバリアフリー化の推進、標識の多言語対応など関連事業も引き続き計画通りに進めていきます。さらにオリンピック後も見据えて、次世代に良好な社会資本を承継することも大きな使命です。都市空間を形づくる道路、河川、公園を良好に維持、整備し、安全、快適で成熟した都市・東京の魅力を世界に発信したいと思います。

—良好なインフラ整備と維持には業界の役割も大きいのでは。

 今述べてきた事業、特に災害復旧などを着実に行うためには担い手である建設業界の健全な発展が不可欠です。厳しい労働環境から若者の入職が少なく、人手不足や技術者・技能者の高齢化、技術継承が課題となっています。

 建設局は発注者として工事の平準化など受注しやすい環境の整備に努めるとともに、週休二日制モデル工事をはじめ、受注者が現場見学会を開催する「建設業の魅力発信モデル工事」を導入するなど、女性や若者の入職促進に向け、取り組んでいます。今後もこの取組を積極的に展開します。

—最後に職員の皆さんに期待することは。

 小池知事の就任以降、「都民ファースト」の視点で、既定のものであっても「立ち止まって考える」ことを意識することが求められています。

 建設局は「現場第一主義」のもと地道に息の長い整備事業や日々の管理を続けていますが、昨年はかつてないほど都政が注目され、報道によって局事業に対する都民の反応も大きくなりました。

 「立ち止まる」とは、事業の意義・必要性をきちんと都民にPRして、一方的ではなく対話を通じて理解と協力を得ていくということに他ならないと思います。これまでも多くの都民の理解と協力を得ながら事業を進めていますが、アンテナを高くして情報の感度を上げ、危機感を持ってよりきめ細やかに取り組んでもらいたいですね。

 

 

 

 

タグ:建設局 無電柱化 無電柱化推進法

 

 

 

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