「東京大改革」の行方占う2017年01月20日号
今年の都政の最大の関心事となるのが、夏に執行される東京都議会議員選挙だ。昨年夏の知事選で当選し「東京大改革」を推し進める小池知事に関して、現在の都議会では公明、民進が理解を示している一方、最大会派の都議会自民は小池知事との緊張関係が続いている。そうした中、これまで長い間都政を支えてきた自民党と公明党の連携に大きな歪みが生じたほか、自民所属の3都議が新たな会派を結成、都議選を控えて様々な動きが表面化してきた。また都議選の前哨戦として注目を集める2月の千代田区長選の結果如何では、長年都議会の重鎮として君臨してきた内田茂氏の去就にも大きな影響を与えることが予想される。「東京大改革」の行方はどうなるのか。
夏の都議会議員選挙
夏の都議会議員選挙の具体的なスケジュールは今月25日に開催される東京都選挙管理委員会の定例会で決まるものと思われる。
都議会の定数127に対し、現段階の各党公認候補者数を見てみると、自民は51名(現職46、新人5)で、この中には都議会自民党を離脱し新会派「新風自民党」を結成した大場やすのぶ氏(2期・世田谷区)、山内晃氏(1期・品川区)、木村基成氏(1期・小金井市)の3氏も含まれている。都議会の重鎮としてその存在感を示してきた内田茂氏(7期・千代田区)をはじめ、数名のベテラン議員の去就は不明だ。
公明は23名(現職18、新人5)の公認候補者を擁立する。都議会副議長を経験したベテランが新人へバトンタッチする一方、5期のベテラン中嶋義雄氏は、これまでの世田谷区から北多摩第3(調布市・狛江市)に鞍替えしての選挙となる。議席を獲得できるかが焦点となる。
共産は29名(現職11、新人17、元職1)を擁立する。都議団団長として会派をけん引してきた吉田信夫氏(5期・杉並区)や2人区の文京区で議席を維持してきた小竹ひろ子氏(3期)などが引退する。元職の浅川修一氏は立川市での議席復活を狙う。
民進党は現在、都議会に2つの会派(都議会民進党、民進党都議団)があるが、それぞれの会派に所属する現職を含め36名(現職16、新人11、元職9)を擁立する。元職は前回の都議選で落選した議員が中心。民進党となって初めて臨む都議選でどれだけの議席を確保できるかが注目される。
日本維新の会は9名(現職1、新人7、元職1)の9名を擁立する。前回の都議選では「第三極」として注目を浴び34名を擁立したものの、結果は2名のみの当選という結果に終わった。現有する1議席を維持し、さらに議席増を狙う構えだ。都議会生活者ネットワークは4名(現職2、新人2)を擁立する。ネットは議員の任期を3期までと定めており、現職3名中、世田谷区の西崎光子氏が今期限りでの引退となる。西崎氏の議席を新人がしっかり受け継げるか、また練馬区で擁立する新人が議席を復活できるかが焦点だ。
小池知事を知事選の頃から支援し「与党」となっている、無所属議員の集まり「かがやけTokyo」の3議員は、小池知事の政治塾「希望の塾」に所属しており、都議選では支援を受けるものと思われる。
先月28日に都議会自民党を離脱した3都議が結成した「新風自民党」、離脱の理由について「都民感覚の政治を実現したい。これが新会派結成の最大の理由だ」と述べている。小池知事もエールを送っているが、都議選では自民党公認として出馬する。期数の若い自民議員の離脱が今後相次ぐかに注目が集まりそうだ。
各党の公認候補者擁立が進む中、注目を浴びているのが小池知事が主宰する政治塾「希望の塾」の動きだ。
既に都議選を睨み、7日には候補者絞り込みのための筆記試験を実施し、今月中にも第一次公認候補を決定する予定とみられる。
小池知事の進める「東京大改革」の先兵として、対立候補の「刺客」の役割を担うことになるのは必至だ。どの選挙区に候補者を擁立するか、各党関係者は固唾を飲んで見守っている。
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