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伸ばせ!健康寿命 第12回2016年12月20日号
神社に行こう!
今年も残りわずかとなりました。この時期、初詣に出かける方も多いと思うので、今回は神社参りの健康効果についてお話しします。
神社は、しばしば周囲より高い場所にあります。その理由は諸説ありますが、いずれにしても神社にお参りする際は、坂道や階段を上り下りしなければならないので、平らなところを歩くだけに比べてトレーニングになります。坂や階段では、特に降りる際に、できるだけ静かに歩けば筋肉をしっかり鍛えられます。
なかには、長い坂や階段を上らねばならない、体力を試されるような神社もあります。毎年1回、そんな神社にお参りすることは、自分の体力を確認することにもなります。
参道には普通、玉砂利が敷かれています。中央部は石畳も多いようですが、そこは正中と言って神様の通り道とされているので、我々はぜひ脇の玉砂利の上を歩いて社に向かいましょう。玉砂利の上を歩くことには身を清める意味があると言われますが、歩きにくい所を歩くと筋力やバランス能力の維持・向上にとても役立ちます。ただし、捻挫などしないよう、靴はウォーキング用のものをしっかりと履きましょう。
お参りは二礼二拍手一礼です。その際、礼は最敬礼、つまり上半身をほぼ地面と水平になるまで曲げましょう。こうすることで、お尻からももの裏側の筋肉がストレッチされます。この動作が大変な方は、日頃からストレッチをして、最敬礼ができる身体づくりを意識しましょう。なお、本殿の周囲には、摂社や末社と呼ばれる小さなお社が配置されていることが多いので、健康のためにぜひこれらも一つひとつお参りしましょう。
都会の小さな神社ではなくなってしまった所も多いようですが、神社には鎮守の森があります。森林浴とまでは行かなくても、木々に囲まれることは精神的なリラックス効果があります。鎮守の森を見つけたら、ぜひゆったりと歩いてください。夏などは一般道との温度差なども感じられ、心の健康に役立ちます。
健康づくりは神頼みではダメです。でも足繁く神社に通うことは、それ自体が健康づくりになります。ぜひ色々な神社を参拝して歩きましょう。
早いもので連載開始から1年が経ちました。毎月読んで頂きありがとうございました。来年も皆様の健康づくりに役立つお話ができるよう努めますのでよろしくお願いします。
後藤 真二(ごとう しんじ)
スポーツクラブNAS株式会社 スポーツ健康医科学研究室 室長
大学教員を経て2008年より現職。「ココロ、ウゴカセ」の経営理念に基づき、単なる運動の場ではない、子供から高齢者まで誰もが楽しんでいるうちに健康になれるクラブづくりを目指して、安全かつ効果的で楽しいプログラムづくり、および健康セミナーや情報誌等での情報発信を担当している。教育学博士、健康運動指導士、ホームヘルパー2級。
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