小池知事が所信表明2016年12月20日号
都政改革に強い意欲
冒頭、小池知事は「都民の皆さまに都政を、都議会を注視していただくことは非常に重要だ。一番身近な政治の場で何が議論され何が議論されなかったのか。税金がどのように生かされていくのか。それを一人でも多くの都民に見て知っていただきたい」と述べ、来年度予算編成ではこれまでの議会の200億円の復活要望を廃止することを改めて強調した。
就任以降の大きな課題となっている五輪施設整備と豊洲新市場の問題については、「今後は掘り起こした幅広い課題をどう解決するのか、具体的な答えを出していく段階」と位置づけ、「2020年に向けた実行プラン(仮称)」の策定、来年度予算案の編成の中で、「新しい東京」に向けた政策を明らかにし、素早く実行する意向を示した。
都政改革については、「改革を進めるための一番のツールは情報公開の徹底」だとして、推進する姿勢を強調、合わせて都庁の自律改革を進めることで「都民と共に進める都政を実現していきたい」と意欲を見せている。
ユニバーサルデザインの都市づくりの推進に向け、障害者に対する理解を深め、差別をなくす取組を一層推進するための条例案の検討を開始することを明らかにした。
女性の社会進出については、「女性の活躍を推し進めることは日本全体の喫緊の課題だ」として、今年度中に「女性活躍推進計画」を新たに策定することとした。「行政や事業者が進めるべき取組を明らかにすることで、掛け声だけで終わらせない生きた女性政策を展開する」と強い意欲を見せている。
最後に小池知事は、「『現状維持は衰退である』という言葉は多くの方々に語られている。議会においても様々な改革への議論が始まろうとしていると聞いている。2020年とその先の明るい東京の未来に向かって、改革を進める意欲溢れる皆様と共に歩んでまいりたい」と締めくくった。
各党が代表質問
自民は知事に答弁調整せず
第4回定例会は7日、代表質問を行った。登壇したのは、崎山知尚(自民)、長橋桂一(公明)、里吉ゆみ(共産)、大西さとる(都議会民進)の各氏。
自民は代表質問について、小池知事への答弁は答弁調整しない姿勢で臨んだ。このため知事はじめ理事者は本会議場で自民の質問をメモなどにまとめていたものの、質問数が多かったことなどから答弁の順番が前後、答弁に立った小池知事を安藤副知事が演台で補佐する光景が見られた。
特別顧問の権限に関連し、10月18日に小池知事とIOCのバッハ会長が会談した際に手渡した資料について「知事から会長に渡した文書は公文書だが、東京都としての組織決定がなされていたのか大きな疑問を感じる」等、都政運営に関して質した。小池知事は当初、「公文書には当たらない。メモだ」と答弁したが、後に公文書であることを認め謝罪・訂正している。
公明は障害者の差別を禁止する条例について取り上げ、「障害者の誰もが主役となる社会の実現に向けた条例とすべき」と知事の見解を質した。小池知事は「障害者やその家族などからの相談に的確に応じる仕組みや、差別に関する紛争の解決を図るための事業者へのアドバイス、指導や勧告などの仕組みなどを盛り込みたい」と答弁した。
共産は豊洲新市場への移転中止の本格的な検討を行うべきだと質した。小池知事は「安全性の検証と環境アセスメントの審議が終了した段階で、総合的な観点から判断を行う」と述べるに留まった。
都議会民進は情報公開の一層の推進を要求、小池知事は公文書の管理に関し、来年度早期の条例化を指示したことを明らかにした。
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