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オリパラ調査チームなどで質疑2016年11月20日号
都庁改革本部のオリンピック・パラリンピック調査チームや、IOCのバッハ会長と小池知事が10月18日に面会した際に知事が渡した資料について、オリンピック・パラリンピック等推進対策特別委員会(委員長・高島直樹氏=自民)は2日、質疑を行った。各会派からは資料の作成経過や、表紙に「Governor`s Office」との記載がなされていたこと等、調査チームの上山信一特別顧問に対する不信が相次いで表明され、委員会に招致すべきだとの発言もあがった。さらに事務局である総務局が、資料の詳細や取りまとめの経過などを把握していないことから、調査チームとの連携をしっかり図るよう求める意見も相次いだ。
上山特別顧問に対し各党から不信
オリンピック・パラリンピック調査チームは、上山特別顧問をはじめ、11名のメンバーで構成。オリンピック・パラリンピック関連の予算や準備体制、工程表の妥当性について調査、評価、課題の整理などを行い、本部長である知事に助言、提言するのが役割。
小池知事がバッハ会長に渡した資料は、調査チームの事務局を務める総務局によれば、上山特別顧問から、9月29日の報告書(都政改革本部の会議で提出された調査報告書「0・9バージョン」)をベースに、知事と相談し作成したものと聞かされているという。内容は調査チームとしての考え方をまとめたもので、バッハ会長との会談当日に施設の見直しについて話が及んだ時のために用意したものという。なお、資料は全文が英語で記されている。
自民の吉原修副委員長は、バッハ会長に手渡した文書は公文書であり、事前に英文の内容をチェックしたのかと質した。
総務局の小笠原都政改革担当部長は「事務局は当該文書について英文のチェックも含め作成には関与していない」と答弁、吉原副委員長は「非常に重要な文書なのだから都としてしっかり確認すべきだ」と厳しく注文を付けた。
公明の遠藤守理事は、オリンピック・パラリンピック調査チームの上山特別顧問の発言が元となって、都が仮設施設の費用を負担するという報道がなされたことなどを取り上げ、「顧問には一定のルールがないことから情報の混乱、責任の所在の不明確さが出ている」として、都政改革本部の要綱を改正すべきだと、都の見解を質した。
小笠原部長は「特別顧問は直接、知事の命を受けて専門知識と経験に基づき、客観的な第三者の視点から助言、提言を行っている。今後我々も改善に努めながら顧問の活動をサポートしたい」と述べるにとどまった。
共産の吉田信夫理事は都政改革本部が10月19日に発表した、五輪施設の見直しの検討の到達点を、知事に渡す前に記者レクで発表した件を取り上げた。「上山特別顧問及び調査チームは、ボート・カヌー会場について彩湖は除外し、長沼と海の森に絞ることを記者レクで知事より先に報告したがそれは知事の指示なのか」と質した。
小笠原部長は「上山特別顧問からは知事の了解を得ていると聞いている」と答弁、吉田理事は「きちんとルールを守り、公平・公正で、透明化の下で検討されるべきだ。特定の人が勝手に走るようなことがあってはならない」と批判した。
都議会民進の小山くにひこ理事は、調査チームの視察などの行程管理は誰が行っていたのかを質した。
小笠原部長は「一連の作業のスケジュール管理は主に上山特別顧問が中心になって行っていた」と答弁、小山理事は「誰が責任者なのか、調査チームの責任の所在などが極めて不明確であり、問題だ」と指摘した。
調査チームのオリンピック・パラリンピック準備局へのヒアリングが2か月間で週3回から4回であること、組織委員会へのヒアリングが9月に3回行われたことについて小山理事は「これらの調査に基づき、今後、報告書がまとまることになるが、果たしてこれだけの調査回数で十分なのだろうか」と疑問を呈した。
招致の実現は不透明
オリンピック・パラリンピック調査チームの上山特別顧問の委員会招致については、2日の委員会で公明から実現を求める発言があった。共産なども上山特別顧問の招致を要請しているが、都議会自民党の高木けい幹事長は「今はまだ調査チームの検証の途中段階であり、全体像がはっきりしてから実施すべきだ。招致することに意味があるのではなく、議論をしっかりと噛み合わせることが必要だ」と述べている。また都議会民進も慎重な態度を見せており、招致がいつ実現するかは不透明だ。
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