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伸ばせ!健康寿命 第10回2016年10月20日号
歩く速さを測ろう
前回、競歩のように歩くことをお勧めしましたが、速く歩いてみると、自分がどれくらいの速さで歩いているのか知りたくなりませんか? そこで今回は歩行速度についてお話しします。
スポーツ的にどれだけ速く歩けるのかも興味深いことですが、実は日常の歩行速度は私たちの健康と深い関係があることがわかってきました。歩行は誰もが日常的に行っている運動なので、技術の個人差が少なく、歩く速度は体力を良く反映します。つまり歩くのが速い人は体力が高く、逆に遅い人は体力が低いと言えます。健康診断で同年代・同性の人と比べて歩くのが早いかどうかを聞かれるのもそのためです。
アメリカの研究では、高齢者の歩く速度から余命を推定できることがわかりました。また我が国の研究でも、速く歩ける高齢者ほど介護になりにくいとされています。
ちなみに健康日本21の「エクササイズガイド2006」では、3分間でどれだけ歩けるかで持久力を手軽に評価できるとしています。
その方法は簡単です。まず、距離がわかる平らな場所を探してください。河川敷などのウォーキングやランニングのコースには距離が書いてあるところが多くあります。そのような場所が近くになければ、道路に引いてある白線を利用しましょう。一般道には5mの白線が5m間隔で引いてあるので、平らな道路を探して活用してください。
準備体操をした後、「ややきつい」と感じる速さで3分間歩きます。3分間で歩けた距離と表1の数字を比べてください。ご自分の性・年齢に対応する歩行距離を超えていれば、現在の持久力は問題ありません。ただし、体力は加齢とともに低下するので、大切なのは一度だけ測るのではなく、繰り返し測って変化を確認することです。
目標値に達していなくてもこれから頑張れば良いのです。たった3分でできるので、ぜひチャレンジしてみてください。
後藤 真二(ごとう しんじ)
スポーツクラブNAS株式会社 スポーツ健康医科学研究室 室長
大学教員を経て2008年より現職。「ココロ、ウゴカセ」の経営理念に基づき、単なる運動の場ではない、子供から高齢者まで誰もが楽しんでいるうちに健康になれるクラブづくりを目指して、安全かつ効果的で楽しいプログラムづくり、および健康セミナーや情報誌等での情報発信を担当している。教育学博士、健康運動指導士、ホームヘルパー2級。
タグ:健康 歩く