豊洲市場、都政改革等で論戦2016年10月20日号
4日に行われた都議会の代表質問、高木けい(自民)、東村邦浩(公明)、大山とも子(共産)、尾崎大介(都議会民進)の各会派幹事長4氏が登壇し、質問に先立ち小池知事へのスタンスを表明した。自民の高木氏は「都民目線で山積する課題を一つ一つ迅速に的確に解決していく努力を惜しむものではない」と是々非々で臨む考えを示した。公明の東村氏は「小池都知事が強調する都民ファーストについては我が党も賛同する」と評価、共産、都議会民進も是々非々の態度を表明し、小池知事最初の都議会定例会は無難な出だしだった。
豊洲新市場の盛り土問題
豊洲新市場の盛り土問題については、「このたび発覚した豊洲新市場の地下空間問題は都政の重大な不祥事」(自民)、「当局は盛り土を実施したと述べたが、事実とは異なる答弁と説明であり到底納得できない」(公明)、「豊洲移転中止に向けた本格的検討を進めるべきだ」(共産)、「安心・安全な状態でなければ豊洲市場の開場を到底認めるわけにはいかないのは当然」(都議会民進)と、都の対応を批判、責任を厳しく追及した。
小池知事は都政への信頼が揺らいだとの指摘に対し「今回の件は組織のトップとして非常に重く受けとめている。現状を客観的に把握し、専門家の知見も取り入れながら、都民、市場関係者に安心していただく方策を見出したい」と答弁した。豊洲新市場の安全宣言については「専門家会議や市場問題プロジェクトチームでこれらの問題について調査、検証を重ね、その上で安全性について判断する」と述べるに留まった。
岸本良一中央卸売市場長(当時)は、事実と異なる答弁をしたことについて「ガバナンスと責任感の欠如によるものであり、市場長の責任は免れない。私自身、深く反省し責任を痛感している」と陳謝した。
都政改革本部等
都政改革本部は都民ファーストの都政の実現のために設置された16名の学識経験者などからなる都政顧問団。
高木氏は都政改革本部の位置づけと目指すものについて質した。小池知事は「都庁の自己改革精神を呼び覚ます装置として設置したのが、私が本部長を務め、各局長を本部員とする都政改革本部だ。全庁に改革マインドを根づかせるとともに、ガバナンスの機能強化を図り、都政に対する都民の信頼を確保する」との決意が示された。
尾崎氏は都政改革本部で知事が描く改革の中身を質した。小池知事は「都政改革本部を土台に、これまでの延長線ではない改革を不断に進めることで、失われた都政に対する信頼をもう一度確保したい」と意欲を述べた。
被災地復興
東村氏は「五輪開催都市の知事として被災3県を訪問し、被災地に何ができるか把握してほしい」と要望、小池知事は「今後、機会を捉えて被災地に足を運び、各県の知事とも意見交換を行う」と応じる姿勢を見せた。
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