第３回定例都議会閉幕2016年10月20日号

盛り土問題めぐり集中質疑

　経済・港湾委員会での集中質疑は６日と７日、計１５時間にわたり行われた。

　各会派とも豊洲新市場の建物の下に盛り土がされていなかったことについて厳しい姿勢で市場側の責任を追及した。

豊洲移転問題で集中質疑が行われた（６日の経済・港湾委員会）

　自民の田中たけし氏は「結果的に虚偽の説明をしてきた中央卸売市場に強い憤りを感じる」と述べるとともに「市場関係者をはじめ都民に多大のご迷惑、ご心配ををおかけしたことを議会としてもお詫び申し上げる」と頭を下げた。

　公明の木内良明氏も「議会との信頼を損ない、人間としての信義を無視した暴挙を断じて許すことはできない」と厳しく非難した。

　質疑の多くは都が独自に調査・発表した「自己検証報告書」をもとに行われたが、盛り土がされずに、地下にモニタリング空間が設けられるに至った経緯については、明確な答弁はなく、市場側は報告書の内容を繰り返すにとどまった。

　一方、自己検証報告書の中で「第９回技術会議（平成２０年１２月）が独自の提案として『汚染地下水の浄化ができるよう建物下に作業空間を確保する必要がある』とした」と記載していることについて、公明の大松成氏が「技術会議の提言ではなく、都の提言だったのではないか」と質したことに対し、岸本良一市場長（当時）は「結果として間違いであり、お詫び申し上げる」と謝罪する場面もあり、問題の根深さを示した。

知事給与の半減条例　全会一致で可決

　小池知事が知事選の公約に掲げていた、知事給与を半減する条例案が１３日、全会一致で可決された。

　知事の月給（現行約１４５万円）を約７２万円に半減させることで、期末手当（ボーナス）などを含む知事の年収を約２８９６万円から約１４４８万円に減額するという内容。

　今年８月〜１０月の３ヶ月分はすでに全額支給されているため、１１月〜来年１月までの給与をゼロとすることで調整する。

　条例の適用期間は来年７月３１日までの１年間で、その後については改めて条例案の提出が必要となる。

　知事の給与が都議の年収約１７０８万円を下回ることになったことを受け、都議会の姿勢が問われることになるが、高木けい議運委員長は、「都議会のあり方検討会で、議員報酬、費用弁償、議員の身分のあり方等と併せて検討していくことになる」と話している。

各会派が談話を発表

　第３回定例会が閉会したことを受け、各会派が談話を発表した。

　自民の高木けい幹事長は「知事が主張する『都民ファースト』と我々が日頃表明している『都民の与党』とは、意味するところは同じ」として、今後、協力すべきは協力していく姿勢を示した。

　公明の東村邦浩幹事長は「小池知事の掲げる『都民ファースト』と『東京大改革』には、私たち公明党も大いに賛同する」として、是々非々の姿勢を基本にしつつ、知事と連携していく考えを表明した。

　共産の大山とも子幹事長は「都民にとって良いことは賛成し、より良い施策として実現するために積極的に提案し、都民にとって悪いことは批判し是正を迫る」と表明した。

　都議会民進の尾崎大介幹事長は「都議会民進党は『自由』『共生』『未来への責任』の理念のもと、都民のための都政の実現に取り組んでいく」と表明、民進都議団の野上ゆきえ幹事長は、「今後とも都政において積極的な役割を果たすとともに、より都民の視点に立った透明性の高い都行政の推進を図るべく活動していく」と表明した。

　知事選で小池氏を支援した、かがやけＴｏｋｙｏの両角みのる幹事長は「圧倒的な都民の支持を得た小池知事には、都民目線での都政大改革を強力に推し進めるよう期待する」と都政改革に協力していく姿勢を示した。

　ネットの西崎光子幹事長は「知事の掲げる『東京大改革』で、膨れ上がるオリンピック・パラリンピック予算についても検証し、公共事業の見直しを都民ファーストの視点で進めてほしい」と今後に期待を示した。

小池知事と正副議長 閉会後は笑顔で握手

　第３回都議会定例会が１３日閉会したことを受け、小池知事は正副議長をはじめ、都議会各会派を挨拶して回った。

　知事就任後の挨拶では知事選直後とあって硬い表情で出迎え、記念写真も拒否した川井しげお議長（写真右）は、この日は笑顔で出迎え、小磯善彦副議長（同左）とともに３人で握手、記念写真にも応じた。

　続く各会派回りでも、知事への反発ムードはなく、握手で出迎えるなどなごやかな雰囲気の中、最初の定例会を終えた。

　豊洲移転や五輪施設見直しなど都政改革に対する都民の高い支持率もあり、都議会の知事に対するスタンスは小池ペースで変わりつつあるようだ。

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