どうなる豊洲新市場!?2016年09月20日号
11月開場の延期が決まったばかりの豊洲新市場で、敷地全体を覆うはずだった4・5メートルの盛り土が、青果棟や水産棟といった一部の建物の地下で行われていなかったことが明らかになった。10日土曜日、急きょ会見した小池知事は、「食の安全に対して、消費者、市場で働く方々が本当の意味で安心できるのかどうか、答えを出してから取り組みたい」と説明した。豊洲新市場の開場にも重大な影響を与えるのは必至だ。
豊洲新市場の盛り土は、そもそもこの土壌に含まれていた有毒物質のベンゼンなどの化学物質を取り除き、市場用地として利用するために実施されたもの。地表から2メートルまでの深さの土を取り除き、その後に4・5メートルの土を入れ替えることで、市場の安全性を担保することとしていた。土壌汚染対策に都が投じた費用は859億円に上る。
ところが、実際には青果棟や水産棟などの建物の下は盛り土は行われておらず空洞で、配管や配線が行われているだけの状態だったことが判明、小池知事は「これまでの情報公開など、説明してきたことと事実は違う」と説明、訂正した。
小池知事は12日、関係する都幹部を集めた会議で、盛り土の実施を認めた当時の専門家会議の再招集、情報公開の妥当性について指示、「都庁にとって、都政にとっての重大な局面であるということを鑑みて、緊張感をもって、スピード感をもって、責任感をもって当たっていただきたい」と釘をさした。
豊洲新市場における敷地内の盛り土は、築地からの移転の際の絶対必要条件のひとつであり、市場の信頼性の確保につながる。今後の動きが注目される。
タグ:豊洲新市場 築地移転 土壌汚染