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NIPPON★世界一 The84th2016年08月20日号
日本にある世界トップクラスの技術・技能―。それを生み出すまでには、果たしてどんな苦心があったのだろうか。20年の歳月をかけ開発された、「未病」をサポートする健康解析システム「ドクターセルフチェック」。そこに認知行動療法を取り入れ、頑張らず生活改善できる具体的手法までを提示する。加えて、企業内で「ドクターセルフチェック」を推進する専用資格も設立。「健康経営」を広げ、社会全体の医療費削減と「自分の健康は自分で守り責任を持つ」価値観の定着を目指す。
(取材/種藤 潤)
「なかなかいい数値が出ました!でも……【体型崩壊指数】が若干心配ですね」
論より証拠。まずは体験するのが一番と、今回紹介する健康管理システム「ドクターセルフチェック」を受けてみた。日頃から健康を意識し、運動も適度に取り入れていることもあり、結果はほぼ40歳という年齢どおりの評価。安心しつつも【体型崩壊指数】の要素となる筋力の衰えが具体的な数値として現れ、それが3年後の身体にどのような影響を及ぼすかが科学的根拠とともに明示されてしまった。
「でも大丈夫。『腕ふり』を1日3分するだけで、筋力は確実に改善します。さっそく実践してみましょう」
誰もが知っているアニメソングに合わせ、約3分間足を前後に開き、腕を振る。一見地味な運動だが、かなりきつい。だが、オフィスや家などどこでもすぐできる。他にも、よく噛むために一口食べたら箸を置く『箸置き』や、その場で手を上に挙げる『バンザイストレッチ』など、手軽な運動を推奨。加えて和食を中心とした食生活も提案されたが、無理強いはされなかった。大切なのは、できることから生活改善し、継続すること。それが「未病」につながると、一般社団法人 日本免疫研究会の前田美恵子さんは自信を持って語る。
「頑張りすぎずに生活習慣を変えることが大事。あとは、笑顔で楽しくやる。それも免疫力向上につながります」
約30分のチェックで具体的数値と解説が出力
チェックそのものの手軽さも、このシステムの特徴のひとつだ。所要時間は約30分。52の問診に答えた後、計測機器で体温、血圧、血管年齢、ウエスト、肌保湿度、体組成を測定する。服装は計測しやすいものであればOKだ。したがって、仕事の合間や昼休みなどに立ち寄ることもできそうである。
しかしチェックで出力される「健康指数」は、気軽さとは対照的だ。【体型崩壊指数】【血行障害指数】【疲労指数】【老化指数】【肌年齢指数】【メタボリック指数】と、項目ごとに100点満点で数値化され、3年後の予測値までシビアにはじき出される。そしてその数値に応じたきめ細かい解説がついてくる。まさに逃げ場のない、身体の現実が突きつけられることになる。
「生活改善は、問題点を客観的に受け止めるところから始まります。その現実を受け入れた上で、頑張らなくてもできる選択肢が提示されると、人は心理的に行動を変えられるようになるのです」(前田さん、以下同)
予防医療を目指し認知行動療法を土台に作成
この結果に基づき、生活改善に向けて行われるカウンセリングもまた、「ドクターセルフチェック」には欠かせないという。
「カウンセリングは、専門知識を持つ『予防医療診断士』『実践健康経営指導士』が担当します。現実を受け入れ、納得した上で生活改善に向けて行動する。そしてその結果を実感し、行動を継続させていく。そのサイクルを具体的に、かつメンタル面も考慮して支えることも、このシステムでは重要です」
セルフチェックで現実を認識し、3年後の姿を「まずい」と感じる。その上で頑張らなくてもできることが提案され、自然と生活習慣を変えようと思うようになる―この考え方の土台にあるのが「認知行動療法」であり、それを巧みに取り入れたのが、「ドクターセルフチェック」なのである。これは今号の巻頭で登場している金城実氏が、真の予防医療実現を目指し、約20年をかけて作りあげたシステムで、従来の健康診断や人間ドックとは根本から異なるという。
「病気の早期発見・早期治療はとても大切ですが、それ以前に生活習慣が引き起こす病気を未然に防ぐことも重要です。できることから生活習慣を見直すサイクルづくりをサポートするのが、このドクターセルフチェックです」
企業内での未病を支援し、社会全体の医療費を抑制
「ドクターセルフチェック」は、同法人内の「アオバ東京ステーション」で行うことができる。現在、無料体験会も実施中だ。
このチェックをより広めていくために、同法人は前出の「実践健康経営指導士」という専門資格を作った。その背景には、近年注目を集める「健康経営」という考え方が存在する。
「予防医療を企業内で積極的に取り入れることは、従業員の収益性を高める効果があります。さらにそうした企業が増えることで、社会全体が健康になり、今社会問題になっている医療費抑制にもつながります。企業のOBなどを中心に『実践健康経営指導士』の資格を取得していただき、その旗振り役として、企業内で我々のチェックを広めて頂ければと思います」
企業OBの活用は、シニア世代の活躍の場の提供にもつながり、それも社会全体の活性化につながるという。「実践健康経営指導士」養成の本講座は11月から開始。その講座内容についての説明会が、9月7日に開催される。詳細を聞きがてら、「ドクターセルフチェック」を体験してみては。
タグ:一般社団法人日本免疫研究会 ドクターセルフチェック 予防医療 実践健康経営指導士