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局長に聞く92 交通局長2016年07月20日号

 
安全意識とサービスの向上を

交通局長 山手 斉氏氏

交通局長 山手 斉氏

 東京都の各局が行う事業を局長自ら紹介する「局長に聞く」。92回目の今回は交通局長の山手斉氏。都営地下鉄や都営バスは、都市活動や都民生活に欠かせない公共交通機関だが、増加する外国人旅行者への対応、防災対策にも精力的に取り組んでいる。

(聞き手/平田 邦彦)

外国人旅行者の対応に重点

—都営交通の現状はどうなっていますか。

交通局経営計画2016

 都営交通は地下鉄、バス、都電、日暮里・舎人ライナーなどを運営し、1日約332万人(平成27年度実績)の方に利用されています。何よりも安全・安心を最優先に、お客様が求める質の高いサービスを提供していくとともに、東京の都市活動や都民生活に欠かせない公共交通機関として、重要な役割を担っています。

 特に4年後に迫った東京2020大会と、その後を見据えながら、本年で105周年を迎える都営交通の継続・発展に力を注いでいくとともに、公営企業として都政の発展に貢献していくよう取り組んでいきます。

—2月に経営計画をまとめていますね。

 少子高齢化の進展により、長期的には乗客数の大幅な増加は期待できません。一方で都心部や臨海地域を中心とした開発の進展、外国人旅行者の急増など、東京の現状に対応する早急な取組も迫られています。

 こうした状況を踏まえ、本年2月に経営の羅針盤として「東京都交通局経営計画2016」を策定しました。今年度から平成33年度までの6か年計画です。 この新たな計画を着実に推進するために、職員一人ひとりが自らの使命と責任を胸に刻みながら毎日の職務に取り組めるよう、安全意識とサービス精神を局の隅々まで徹底・浸透させていきます。

—外国人旅行者の対応は。

 交通局では現在、近年増加している外国人旅行者の方々に都営交通を便利で快適にご利用いただけるよう、インバウンド対策を進めているところであり、外国人旅行者への対応は、新たな旅客誘致はもとより、東京2020大会を見据えたお客様対応として重要な取組と考えています。

 現在、英語が話せるコンシェルジュの配置を拡大するとともに、タブレット端末を都営地下鉄全駅に配備し、翻訳ソフトなど様々なアプリなどを活用し、よりきめ細かい案内業務に取り組んでいます。

 新たな取組としては、海外で配布する多言語の都営交通沿線ガイドブックの作成や広告出稿など、外国人旅行者をターゲットとした広報活動を手掛けることにしました。

 また、4月からは世界最大の旅行口コミサイトである「トリップアドバイザー」と連携し、「TOKYO100」キャンペーンを開始しました。これは定番の観光地だけではなく、穴場スポットや隠れた名店などを口コミで掘り起こすものです。年度末を目途に東京の100のベストスポットを決め、都営交通沿線の魅力を発信するとともに利用者増につなげていきます。

 

防災に対する即応力を向上

—熊本地震では交通機関の被害も大きなものでした。首都直下型地震への対応は。

 何より、お客様の安全を確保することが最優先です。まずは、避難誘導、負傷者の救出にあたり、その後、施設等の被害状況を把握して、早期運行再開に努めます。

 地下鉄では、阪神・淡路大震災を受けて策定された、国の通達に基づく耐震対策を平成22年度に完了しています。現在、東日本大震災の教訓を踏まえ、施設等のより一層の安全性の向上や、震災後の早期運行再開を図るため、高架部の橋脚や地下部の中柱の補強を行っています。

 また、電力供給が停止した場合でも、車両に電力の供給が行えるよう、2月には電力貯蔵設備の導入に向けた実証実験を行いました。この試験結果をもとに、その導入を進め、お客様のより安全でスムーズな避難誘導を目指します。

 都営バスについては、東京都地域防災計画に定める、緊急輸送ネットワークの輸送車両として協力することになっています。

 日暮里・舎人ライナーでは、都立舎人公園に設置される非常用発電機を活用して、列車1編成が走行できるよう、受電設備を改修する予定です。

 さらに日頃から職場単位で訓練を実施するとともに、各部門が連携し、お客様の救出誘導、施設復旧訓練を行う異常時総合訓練を実施するなど、大地震などの異常事態に対する即応力の維持向上に努めています。

—帰宅困難者対策はどうでしょうか。

 駅構内のお客様については、地上の安全が確認され、一時滞在施設が開設されるまでの間、改札外のコンコースなど、あらかじめ定められた駅構内の安全な場所で一時的に待機していただきます。

 その後、状況に応じて各駅に配備している約5万人分の飲料水、防寒用ブランケット、簡易マット等の帰宅困難者用備蓄品を配布します。

 交通局では、今後もこうした取組を着実に進め、お客様の安全・安心の確保に局を挙げて取り組んでいきます。

 

 

 

 

タグ:交通局長 都営交通 東京都交通局経営計画2016

 

 

 

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