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舛添知事が辞職2016年06月20日号

 

 政治資金の流用や公私混同問題で批判を受けていた舛添要一知事は15日、川井しげお議長に辞職願を提出、夕方6時過ぎから開催された都議会本会議で、全会一致で辞職が同意された。
 最後に退任の挨拶に立った舛添知事は「このような形となり、反省と心残りの念は尽きないが、すべて自らの不徳の致すところ。これ以上、都政の停滞を長引かせることは私にとっても耐えがたく、私が身を引くことが一番だと考えるに至った」と任期途中で辞めざるを得なくなったことに悔しさをにじませた。新しい知事を選ぶ知事選は7月14日告示、同31日投開票で行われる。

知事選7月31日投票

 4月初めに豪華海外視察問題が指摘されて以来、公用車による湯河原の別荘通い、知事就任前の政治資金による美術品購入など、次々と新たな公私混同問題が報道され、説明責任を求められていた舛添知事だが、結局、最後まで都民・国民を納得させることはできなかった。

 いずれの問題も違法性は問われないとの判断から強気の姿勢をくずさなかったことが、知事としての資質を疑問視するイメージを増幅させ、火消しのために行った弁護士による「第三者の目による厳しい調査」も、お手盛りの内容だとして、火に油を注ぐ皮肉な結果となった。

退任挨拶を述べる舛添氏(6月15日)

退任挨拶を述べる舛添氏

 与党の自民、公明としては当初、ここまで大きな問題に発展するとは思っておらず、最低、参院選、リオ五輪が終わるまでは知事を支えていく方針だったが、最終的には世論に押される形で「不信任決議」を提出せざるを得なくなった。

 頼りにしていた与党に梯子をはずされた舛添知事は、最終本会議の前日、川井議長から辞職するよう説得を受けたが、これを拒否、議運理事会で給与返上を条件に、涙ながらにリオ五輪後までの猶予を求めたが、もはや議会側に選択肢はなく、15日午前、自ら辞表を提出して2年4ヵ月の都政運営に終止符を打った。

 

次の知事候補は?実務型に期待の声も

 舛添知事の辞職は21日付。22日に参院選公示、7月10日に参院選の投開票、8月5日にはリオデジャネイロ五輪が開幕する。知事選はこのタイトな日程の中、7月14日告示、同31日投開票で行われることになる。

 各党はすでに候補者の選定に着手しており、具体的な名前もあがっている。しかし、猪瀬前知事に続き、金にまつわる問題での辞職とあって、知名度の高いタレントや、政治資金問題で追及を受けかねない政治家からの選考には慎重な声もある。

 石原元知事以来、任期途中での辞職が3代続き、都政は落ち着かない状況が続いており、次の知事には最低2期以上は腰を据えて都政運営を担える実務型の知事への期待が大きい。

 舛添支持だった自公は逆風の中での知事選となるが、野党側も民進が独自候補か野党共闘かは未知数で、今後の動きが注目される。

 

辞職受け各党が談話

 舛添知事の辞職を受け、都議会各会派はそれぞれ談話を発表、公明の長橋桂一幹事長は「知事の答弁は説明責任とはほど遠いものであり、信頼回復がもはや不可能と判断した」、民進の尾崎大介幹事長は「都政に対する信用と信頼を著しく失墜させ、政治不信を増大し、都政の停滞まで生じさせた責任は極めて重大」と厳しく批判。

 共産の大山とも子幹事長は「辞職は都民世論の画期的な勝利」とした上で、百条委員会設置が否決されたことについて、「反対した会派は都民の批判をまぬかれない」として、引き続き全容解明を目指す考えを示した。

 一方、自民の宇田川聡史幹事長は「これ以上、都政の停滞と混乱を回避するために賢明な決断をされたものと思う」と淡々と所管を述べるに留めた。

 

 

 

 

タグ:舛添都知事 辞職 政治資金規正法 収支報告書 

 

 

 

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