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第1回都議会定例会2016年03月20日号

 
予算特別委員会が総括質疑

一問一答で舛添知事の都政運営質す

 2月17日に開会した都議会第1回定例会は、各会派による代表・一般質問に続き、7日〜9日に予算特別委員会(委員長・早坂義弘氏=自民)での審議に入り、舛添知事との一問一答での質疑が行われた。7日の総括質疑には、田中たけし氏(自民)、橘正剛氏(公明)、大山とも子氏(共産)、斉藤あつし氏(民主)の4氏が登壇、財政運営、オリンピック・パラリンピック、防災対策、環境エネルギー、子育て支援などが取り上げられた。第1回定例会は22日に予算特別委員会でしめくくりの総括質疑を行い、25日の最終本会議で来年度予算案などを採決して閉幕する。


【2020年大会経費】

施政方針演説を行う舛添知事

答弁に立つ舛添知事

 2020年オリンピック・パラリンピックの開催経費が当初の想定を大幅に上回る見込みとなっていることについて、田中氏はロンドン大会での前例を引き合いに、「ロンドン市やイギリス政府など公的部門が役割をしっかりと果たしたことが成功につながった」と指摘、東京大会の成功に向けた課題を質した。

 舛添知事は「オールジャパンでの対応が不可欠であり、都が中心となって国をも巻き込み、大会準備を全面的に支えていく」と述べるとともに、今後、経費を精査し大会の全体像を示していく考えを示した。

 一方、大山氏は知事がメディアなどで「(経費が)3兆円くらいかかる」と発言したことについて、「具体的な根拠も示さず不適切だ。本来必要もない新国立競技場の整備費まで負担を受け入れるなど、都の負担は天井知らずに膨れ上がり、都財政に重大な影響をもたらす」と批判した。

 

【福祉先進都市】

第1回定例会

 目と耳の両方に障害がある盲ろう者は、都内に840名いるとされているが、橘氏は公明党の提唱によって設置された「盲ろう者支援センター」(台東区)がコミュニケーション訓練などで大きな役割を果たしていることを指摘、来年度の多摩地域での事業展開について質した。

 梶原福祉保健局長は「より身近な地域でセンターのサービスが利用できるよう、多摩地域に会場を確保し、毎月1回程度、定期的に日常生活などに関する相談や訓練を実施していく」と答弁、舛添知事は「福祉先進都市の実現に向け、心のバリアフリーの推進やユニバーサルデザインのまちづくりなど、ソフト・ハード両面から障害者施策の充実に全力で取り組む」と表明した。

 斉藤氏は「知事が、いかなる種類の差別も許さないと述べ、共生社会を東京にしっかりと根づかせるとしている姿勢を評価する」と述べた上で、知事の目指す共生社会像を質した。

 知事は「年齢や障害の有無、国籍、文化、宗教などの違いにかかわらず、お互いに尊重し合って支え合いながら生活する社会だ」と答え、その実現に取り組む考えを示した。

 

【ひとり親家庭支援】

  大山氏は子供の貧困問題に関連して、「日本のひとり親世帯の貧困率は他国に比べても高く、経済的支援の充実が必要だ」として、知事の見解を質した。

 舛添知事は「ひとり親家庭に対しては、教育支援、生活支援、保護者に対する就労支援、経済的支援など、さまざまな支援策をやっており、国は国できちんと政策をやっていただく」と答え、現在の都の対応に問題はないとの認識を示した。

 大山氏は「子育ての時間を削って働いても貧困から抜け出せない状況であり、直接的な経済的支援の拡充が必要だ」と重ねて求めたが、知事は「どういう社会保障制度を構築するかは、国会で決めることであり、都は児童育成手当の支給などさまざまな事業を行っている」と述べ、意見はかみ合わなかった。

 

【水素社会の実現】

 知事が力を入れている水素社会の実現では、2030年までに燃料電池車を20万台、水素ステーションを150箇所整備するとしているが、田中氏は実現に向けた取り組みを質した。

 知事は「目標達成に向け、400億円の基金を有効活用し、初期需要の創出やインフラ整備を加速化させ、自律的な普及拡大につなげていく」と説明、さらに水素ステーションの設置で課題となっている、公道との保安距離の規制緩和について、林経済産業大臣に直接要望したことを明らかにした。

 田中氏はまた、「多くの都民に水素の持つ意義や可能性が十分に浸透しているとは言えない」として、普及啓発の必要性を訴えた。

 遠藤環境局長は「水素の将来性などを分かりやすく紹介する展示施設『東京スイソミル』をこの夏にオープンするとともに、映像コンテンツの制作など積極的な広報活動を展開していく」と答えた。

 

【介護人材確保】

 平成37年度に約3万6千人が不足すると見込まれている介護人材を確保する取り組みとして、都が介護職員用の宿舎を借り上げる事業者を支援する補助制度を創設することについて、橘氏は「新規の宿舎だけでなく、既存の宿舎も対象とすべき」と質した。

 梶原福祉保健局長は「すでに借り上げている職員宿舎についても、入居者を災害対応要員と位置づけ、かつ、その職員の家賃負担を一層軽減するなど、今回の事業の目的や趣旨に沿う場合には補助の対象とする方向で検討する」と約束した。

 

 

 

 

タグ:第1回定例会 予算特別委員会

 

 

 

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