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武蔵野の森総合スポーツ施設が完成へ2016年02月20日号
味の素スタジアム(調布市飛田給)に隣接する敷地で建設が進む、武蔵野の森総合スポーツ施設(仮称)の工事が佳境を迎えている。平成25年12月に着工して約2年、曲面的なデザインが特徴のメインアリーナ棟とサブアリーナ・プール棟の外観が姿を見せ始めてきた。完成は来年1月を目指しており、メインアリーナはバレーボール、バスケットボールなどの大規模スポーツ大会やイベント会場として、サブアリーナは武道等も実施可能な施設として、屋内プールは都民の日常利用にも供される予定だ。2020年オリンピック・パラリンピックではバドミントンと近代五種のフェンシング、車椅子バスケットボールが、メインアリーナ棟で行われることが決まっており、多摩のスポーツ拠点として大きな役割を担うことが期待されている。
多様なスポーツニーズに対応
武蔵野の森総合スポーツ施設は、隣接する味の素スタジアムと合わせて、多摩地域の一大スポーツ拠点を形成することで、多摩地域のスポーツ振興に貢献するとともに、周辺地域のにぎわいや活性化など、まちづくりにも貢献する施設として、平成21年4月に基本構想が策定された。
施設機能については、「総合スポーツ施設」とうたっているように、単一のスポーツ施設だけではなく、屋内外を問わず多くの種目に対応できる複合的、総合的な施設として整備することで、地域スポーツ、レクリエーション、競技スポーツなど、都民の幅広いスポーツニーズに応えることが基本的な考え方である。
全体の敷地面積は約6・7ヘクタールで、区部のスポーツ・レクリエーション拠点である代々木公園、神宮外苑、駒沢オリンピック公園等にも匹敵する規模となる。
競技施設は①メインアリーナ②サブアリーナ③屋内プール④補助競技場(現・味の素スタジアム西競技場)―で構成され、このうち補助競技場については、第1期事業(屋外ゾーン)として平成24年4月にオープンし、平成24年に開催された「スポーツ祭東京2013」(第68回国民体育大会及び第13回全国障害者スポーツ大会)でも使用された。
現在建設中のメインアリーナ棟、サブアリーナ・プール棟は第2期事業(屋内ゾーン)に当たるもの。2020年東京五輪での使用も決まり、スポーツへの関心がますます高まる中、その完成が待ち望まれている。
中核となる1万人規模の競技場 メインアリーナ
金属パネルで覆われた曲面的なデザインが特徴のメインアリーナ棟は、武蔵野の森総合スポーツ施設の中核となる施設。国際的・全国的な大規模スポーツ大会が開催可能なほか、コンサート等のイベントでの利用を想定した機能も導入、「多目的アリーナ」として整備する。
競技場としての規模は、バレーボールやバスケットボールが4試合同時に実施可能な広さを確保、ほかにバドミントン(18面)、新体操(2面)、ハンドボール(3面)、フットサル(3面)、卓球(20面)、柔道・剣道(8面)などの競技が実施可能となる。
観客席数は固定席6662席を設置、さらに仮設席の設置により、最大1万1000人を収容し、国際的な大会やイベント興行を積極的に誘致していくとしている。なお、固定席には貴賓席も約30席設けられる。
設備面では、スポーツ大会に対応した照明、放送設備、大型電光表示板等を備えることはもちろん、コンサートなどイベント開催に対応した天井吊りフック等も整備する。
大規模スポーツ大会やイベント興行の開催で重要となる、いわゆるバックヤードについては、スポーツ利用に必要な更衣室(ロッカー・シャワー室設置)のほか、選手控室、大会関係者室、管理運営室、会議室、貴賓室等を配置、円滑な大会・イベント運営に対応するよう配慮している。
団体・個人利用が可能な施設に サブアリーナ・プール棟
サブアリーナ・プール棟はメインアリーナ棟に隣接、両棟はペデストリアンデッキを介して結ばれる。
サブアリーナはメインアリーナの補完的な役割を担う施設とするとともに、広域的な大会の開催や、団体・個人の利用が可能な開かれた施設として整備される。競技場の規模はバレーボール2面、バスケットボール2面など、メインアリーナの半分程度となるが、特徴としているのが日本の伝統文化である柔道や剣道をはじめとする武道実践の場を想定していること。
そのため、木造仕様の床に「可動畳」を配備することで4面分(柔道の場合)を確保、日常の稽古や小規模な大会での利用に供するとしている。なお、観客席数は固定席374席を設置する。
屋内プールは幅広い年齢層の都民の個人利用のほか、広域的な大会が可能な競泳用プールとするため、50m国内公認競泳プール(8コース)として整備する。
また、競泳だけでなく、水球、シンクロナイズトスイミングにも対応するため、水深調整可能な可動床(0m~3m)、2分割可能な可動壁(25m×2面)を導入する。これにより、水深を浅くすることができ、ウォーキングや子供の水泳教室での活用も期待される。なお、屋内プールには見学スペース(約200人)が設置される。
また、都民の日常利用施設として、トレーニングルームと多様なニーズに対応するフィットネススタジオ2室が設置される。
さらに地域の活性化やにぎわいのためのスペースとして、カフェと多目的スペースも確保する。
地域のランドマーク施設として
武蔵野の森総合スポーツ施設の設計コンセプトでは、単なるスポーツ施設としてだけではなく、周辺との調和を図った地域のランドマーク施設とすることが強調されている。その象徴的な施設が約7500㎡に及ぶ広大なペデストリアンデッキだ。
メインアリーナとサブアリーナ・屋内プールのエントランスとなり、円滑な入退場に寄与するほか、広大なスペースは利用者の交流の場としての活用も可能となる。味の素スタジアムや西競技場ともアクセスすることで、全体として一体感のある施設を演出する。
さらに省エネルギー、環境への配慮にも力を注いでおり、太陽光発電パネルや太陽熱温水器の設置など随所に省エネ・環境配慮設備が導入されている。また、サブアリーナ・プール棟には屋上広場が設けられ、にぎわいと同時に周辺の緑との調和も図られている。
このほか、災害への備えとして、防災備蓄倉庫や仮設トイレが設置できるマンホールの設置など、安全・安心への配慮にも万全を期している。
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