第1回定例会が開会2016年02月20日号
来年度予算案などを審議
第1回都議会定例会が17日に開会し、舛添知事が施政方針演説を行った。2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会を成功させる意気込みを強調し、さらに2020年を起爆剤として、その後の東京の加速度的な発展を引き起こす「大変革点」とする決意を示した。
舛添知事はまず、リオ五輪後には東京が世界中のさらなる注目を集めることを前提に、「今こそ世代を超えて東京を大きく飛躍させるための基礎を固める時だ」と、東京のグランドデザインの策定に意欲を見せた。
同時に、2020年大会のレガシーを基に、「ゆとりある成熟社会」を目指す姿勢を見せた。「世界一の都市・東京」を実現し、すべての面で都民生活の質の向上を図りたいとしている。
知事が大きな懸念を示している貧困の連鎖または格差の拡大については、「本人の努力を超えたところに存在する障壁を取り除かなければ、生き生きとした活躍など望むべくもない」と、豊かさを実現できる社会の構築について熱く語った。
五輪大会を契機にしたボランティア育成は、舛添知事が力を入れている取り組みのひとつ。さきごろまとめた「共同社会づくりを進めるための東京都指針」に基づき、都民の社会貢献活動の活性化につなげたい意向を示した。障害者のボランティア活動については支援体制の検討を開始する。
福祉面では、深刻さを増す保育や介護サービスの人材不足について、人材の掘り起こしからマッチング、職場定着までを総合的に支援することとした。都立広尾病院を旧青山病院跡地に移転し、災害医療拠点「首都災害医療センター」(仮称)として整備、平成35年度の開院を目指すとしている。
環境面では、スマートエネルギー都市をつくりあげるため、新たな環境基本計画を年度内にまとめることとした。消費電力における再生可能エネルギーの割合を一層高めたい意向を示している。
第1回定例会に東京都が提出したのは、来年度東京都一般会計予算案など予算案30件、条例案76件、契約案9件、事件案10件、諮問1件の計126件。このほか人事案20件も提出されている。
第1回定例会の今後の日程だが、各会派による代表質問が23日、一般質問が24日と25日に行われる。25日の質問戦終了後、人事案件が上程、議決される。3月3日には27年度補正予算など予算案や契約案など計18件が中途議決される。
来年度予算案について集中質疑を行う予算特別委員会が、7日から9日まで3日間にわたり総括質疑を行う。その後14日から17日までは各常任委員会での審査が行われ、再び予算特別委員会で22日のしめくくり総括質疑を経て23日に討論・採決が行われる。
25日の最終本会議ですべての議案の議決が行われ閉会する。
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