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東京都来年度予算原案まとまる2016年01月20日号
2020年五輪大会の準備など歳出に5兆933億円を計上
東京都は15日、来年度予算原案を発表した。一般会計の予算規模は前年度比で0・8%増の7兆110億円。一般会計の予算規模が7兆円を超えたのは平成5年度以来のこと、これは都税収入が前年度比で3・7%増の5兆2083億円となったことを受けたもの。この他、特別会計及び公営企業会計を含めた東京都全体の予算総額は13兆6560億円となった。東京都は今、東京を世界一の都市とすべく様々な取り組みを進めているが、来年度予算原案はその取り組みをさらに積極的に推進する内容となっている。
来年度予算原案は「『世界一の都市』の実現に向けた取り組みを加速化・深化させ力強く前進させる予算」と位置づけられている。
2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会とその先の将来像の実現に向けて積極果敢な施策展開を図ること、自己改革の一層の推進と財政対応力の強化によって強固で弾力的な財政基盤を構築すること、を基本的な考え方に置いている。
歳入は、自己改革の取り組みを一層推進することで、325の施策を見直しまたは再構築し、約300億円の財源を確保している。都債についても発行額を抑制し将来に向けての余力を温存した結果、前年度比で21・4%減の3533億円となった。起債依存度も5・0%と低い水準を保っている。都税収入は企業収益の堅調な伸びを反映し、前年度比で3・7%増の5兆2083億円となった。
基金については、積極的に活用する一方、将来にわたり安定的に施策を展開するため、その残高を1兆1587億円確保する。
特に2020年のパラリンピック大会の開催に向け、障害者スポーツの普及啓発や環境整備を図るため、新たに「障害者スポーツ振興基金」(仮称)を設置、200億円を積み立てる。
歳出は「東京都長期ビジョン」に掲げられている将来像を見据え、東京を深化した成熟都市へと高めるための取り組みを推進するため、前年度比4・8%増の5兆933億円となっている。2020年のオリンピック・パラリンピック大会に向けた準備、都民生活の質を高める取り組み、経済成長を支える取り組みなどに財源を重点的に充てた。
経常経費は、少子高齢化対策や中小企業支援など、都政が直面する課題に対応するため、前年度比で4・3%増の4兆75億円が計上された。投資的経費も前年度比6・7%増の1兆858億円が計上されている。
障害者就業支援等で舛添カラー
来年度予算原案で重点的に予算が配分された施策を見ると、任期2年目を迎えた舛添知事が、障害者就業支援、非正規雇用対策、貧困対策に並々ならぬ意欲を見せていることが伺える。
障害者に関する施策では、まず、障害者スポーツの振興に258億円を計上した。パラリンピック大会の開催を4年後に控え、障害者がスポーツに親しむことのできる環境整備に向けた取り組みを展開する。「障害者スポーツ振興基金」(仮称)の創設、障害者スポーツセンターの改修や、特別支援学校5校の体育施設を活用した活動場所の拡充などに充てられる。
障害者の就業支援では36億円を計上、都独自の取り組みとして新規に「障害者安定雇用奨励事業」を実施する。奨励金を創設し、障害者の正規・無期雇用の雇い入れなどを実施する事業者を支援する。こうした取り組みで障害者の安定雇用を促進する考えだ。
格差の拡大について「危機的な状況」と憂う舛添知事は、子供の貧困対策に680億円を計上、子供の居場所創設事業、地域未来塾、校内寺子屋などの新規事業を相次いで立ち上げ総合的な取り組みを推進する。非正規雇用対策では54億円を計上した。
タグ:平成28年度予算原案 2020東京オリンピック・パラリンピック