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わが街の特職課 2015/8/20号2015年08月20日号
日野市 産業振興課
日野市はかつて同市豊田(旧豊田村)で製造されていたビールを復刻し、7月26日からTOYODA BEERのブランドで販売を始めた。
このビールは明治19年(1886)、豊田の山口平太夫によって興された多摩地域最古のビール工場で製造されたもの。「平成25年に行われた発掘調査と蔵の調査 で、状態の良い当時のラベルやコルク栓、ビール瓶の破片などが山口家から見つかったことが、TOYODA BEER復刻のきっかけです」と話す産業振興課商工係の 服部文哉さん。
多摩地域最古のビール工場から誕生したビールを復刻させ、地域の活性化や日野市の認知度向上などにつなげようと、今年2月に地元商工会や金融機関など産官農金な どから成る「TOYODA BEERプロジェクト実行委員会」を立ち上げ、国の地方創生交付金(地方創生先行型交付金)を使いこのプロジェクトを進めてきた。
ビールの製造は山口家と縁戚関係にある福生市の石川酒造。石川酒造もまた明治20年にはビールの醸造を始めており、当時は山口家がそれを手伝った。今回、約13 0年の時を超え石川家の手助けでTOYODA BEERが復活したことに、人の縁やつながりなどに運命的なものを感じずにはいられない。
「今回の復刻第1弾では当時使用していたラベルと製法を復刻しました」と服部さん。製法は、明治時代の新聞広告から「独逸醸造法」との記載が見つかったため、ド イツでポピュラーだった下面発酵製法を取り入れた。
TOYODA BEERは年3回、330mlの瓶を9000本ずつ販売する予定で、コンビニを含む市内の酒店などで販売するほか、居酒屋などの飲食店でも取り扱う。初回発売日となった7月26日の酒店等への出荷分は、1週間もたたずほぼ完売した。
だが、これはあくまでも復刻プロジェクトの第1弾。「第2弾として、日野市産の大麦を原料にすることを考えています」と服部さんは話す。「市内の農家の方の協力 で、今年試験的に大麦の栽培を始め、5月末には70㎏の大麦が収穫できました。ビールの原料となる量には、まだまだ及びませんが、手ごたえは感じています。今後 はもっと大麦の収穫を増やし、できれば再来年、遅くても5年後には地元産の大麦を使ったTOYODA BEERが製造できればと思っています」と続けた。今後は更 なる調査を進め、オリジナルの味や原材料など製造法に関する研究も進めていきたいという。
TOYODA BEERは酵母が生きた生ビールで、深いコクと、キレのある苦味などが特徴の日野市の地ビール。そしてこの1本に130年の歴史が再現されてい る。
●問合せ/日野市産業振興課 TEL 042・585・1111(内線3421)
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