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新規事業に舛添色2015年02月20日号

 
平成27年度予算原案

 舛添知事にとって初の本格予算となる平成27年度予算原案は、景気回復による都税収入増に支えられ、一般会計は6兆9520億円と前年度比7・5%増となった。昨年末には10年先を見据えた「東京都長期ビジョン」を策定、そこに盛られた初年度の事業を100%予算化、1兆3234億円を計上している。とくに新規事業には舛添色が色濃く反映されているのが特徴だ。

長期ビジョン事業を100%予算化

 来年度予算原案について知事は「東京を『世界一の都市』へと飛躍させる予算」と位置づけ、「停滞しがちな日本経済・日本社会を東京という機関車が牽引し、東京と地方が共に豊かになる、そうした国づくりに貢献する大きな広がりを持った積極果敢な予算にできた」と自信を見せた。

 その特徴を目的別内訳で見ると、前年度比で、「生活環境」が12・8%、「福祉と保健」が8・1%、「教育と文化」が5・2%の増となっており、これを裏付ける取組みとして、「福祉先進都市実現基金」「人に優しく快適な街づくり基金」「芸術文化振興基金」など新たに総額2580億円の基金を創設することとした。

 また、投資的経費は1兆73億円と、平成10年度以来17年ぶりとなる1兆円台の規模となり、オリンピック・パラリンピックの開催に向けた競技施設等の整備、木造住宅密集地域の不燃化・耐震化など、災害に強い都市づくりの推進、骨格幹線道路や東京港の整備などに財源が配分された。

 新規事業を中心にそのポイントをみてみた。

 

待機児童ゼロに向け予算拡充

〈都市外交の推進〉

 舛添知事が力を入れている都市外交では、これまでに北京、ソウル、ロシアなど6都市を訪問している。

 来年度は都市外交予算を7億円から10億円に増額、姉妹友好都市等との交流事業の活性化を図るとともに、多都市が参加する協力事業を展開するため、新規に「東京都グローバルパートナーズワークショップ」を立ち上げる。このほか、在京大使館等との連携強化を図るとともに、「都市外交人材育成基金」(80億円)を創設、人材育成にも取り組む。

〈子育て支援〉

 子育て環境の充実関連予算は、前年度の477億円から514億円に増額された。

 新規事業としては、男性向け不妊治療費助成、出産・子育て応援事業(ゆりかご・とうきょう事業)、借地を活用した認可保育所等設置支援事業などが盛り込まれた。都庁内に保育施設を設置するための準備も開始する。

 4年間で待機児童ゼロを目指す保育サービスの拡充では、6億円から217億円と予算を大幅増額、保育士等キャリアアップ補助、保育従事職員宿舎借り上げ支援事業などを立ち上げる。

〈高齢者支援〉

 高齢者が住み慣れた地域で生活し続けることができる環境を整備するため、新たに生活支援付すまい確保事業、寄りそい型宿泊所事業、介護予防における地域リハビリテーション促進事業、借地を活用した特別養護老人ホーム等設置支援事業などを創設する。

 なお、医療面では認知症対策として、認知症支援コーディネーター事業、認知症支援推進センター設置事業、地域連携型認知症疾患医療センターの設置が盛り込まれたほか、介護職員キャリアパス導入促進事業など介護人材の育成にも取り組む。

〈水素社会の実現〉

 舛添都政の目玉施策とも言える水素社会の実現では、燃料電池自動車等の購入、水素ステーションの早期整備に向けた支援を行うとともに、水素に対する社会的受容性の向上を図る取組みを行うなど、水素社会の実現に向けた取組みを推進する。

 さらに、スマートエネルギー都市の実現に向け、既存住宅における再エネ・省エネ促進事業、ソーラーカーポート普及促進モデル事業、地中熱利用の普及促進などに新たに取り組む。

〈中小企業対策〉

 成長産業分野への参入を促進するため、ライフサイエンス系ベンチャー等スタートアップ支援、医療機器産業参入支援、ロボット産業活性化事業、次世代イノベーション創出プロジェクト、中小企業世界発信プロジェクトなどが新規事業として盛り込まれた。

 起業・創業の促進では、予算を19億円から214億円と大幅に増額し、創業活性化特別支援事業を新たに立ち上げるとともに、インキュベーションHUB推進プロジェクト、女性・若者・シニア創業サポート事業などを拡充する。

「東京都長期ビジョン」の予算化状況(平成27年度)

 

 

 

 

タグ:平成27年度予算原案 東京都長期ビジョン

 

 

 

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