●株式会社ニコウ ●大阪府堺市西区
●1992年設立 ●従業員数6名
NIPPON★世界一 (22)
Miracle7 ミラクルセブン
日本にある世界トップクラスの技術・技能-。それを生み出すまでには、果たしてどんな苦心があったのだろうか。設立以来、超アルカリ洗浄水などを開発してきたニコウは昨年、新たに画期的なエンジンオイル添加剤を発売。エンジンやオイルの寿命を格段に延ばし、CO2を削減するといった、その優れた特徴の多くを、開発時の苦労などと合わせてご紹介したい。
(取材/袴田 宜伸)
今から5年前、(株)ニコウの代表取締役社長・金田鍾鶴(しょうかく)氏は、飲食店を経営する身内から「厨房などに飛散した油分をキレイに取る方法はないか」と相談を受けた。
この難題に対して金田氏は、「水を強いアルカリ性に電気分解してみてはどうか」と考え、さまざまな触媒を分量を変えてテスト。その末に高品質な洗浄剤「超アルカリ洗浄水」を生み出したのだが、完成後に金田氏は、開発中のある出来事を思い返した。
「フライヤーの清掃に投入した洗浄剤が乳化せず、油中に包まれた状態になっていたことを思い出したのです」
実はこれは、洗浄剤がボイラーなどの燃料に使われる「エマルジョン燃料(W/Oタイプ)」に変化したために起きた現象。元々エマルジョン燃料に興味を抱いていたことから金田氏は、これを機にエマルジョン燃料の製造に目を向け、遂には燃料製造装置をも完成させたのだった。
複数の潤滑油を混合することが有効と判明
この装置は、ミキシング装置を回転させることで燃料を製造する。従ってより効率よく製造するためには、回転時の負荷を下げる必要がある。
そこで金田氏は、ミキシング装置に投入する潤滑油(オイル)を20種類以上にわたってテスト。その結果、複数のオイルを混合することが、有効であると判明した。
「この結果を受けて、より優れたオイルを作れるのではないかと考え、開発を進めてみようと思い立ちました」
サンプル量が少なかったために多種のオイルを混合することが困難で、なかなか適切な組み合わせと分量を見出すことができなかった。
だが、精密デジタル天秤を使用し、液量ではなく重量で混合するようになってから数値の確認が容易になり、着実に的が絞られていく。
そして開発開始から約2年半を経た2008年夏-新しい高品質なエンジンオイル添加剤「Miracle7」が誕生した。
煤煙を約80%減少させCO2の排出も削減
既製のエンジンオイルに混合することでMiracle7は、金属の表面に浸透して金属と分子結合し、滑らかで強い金属被膜を形成する。
それによって摩擦係数が、1/100以下にまで減少。エンジンの寿命を5倍近く延ばし、パワーも増大させ、さらには騒音も減少させる。
また、エンジンオイル内の不純物を洗浄・分解することも大きな特徴で、オイルの寿命を30倍にまで延長可能だ。
一般的にエンジンオイルは走行距離が5千㎞に達した時点で交換が必要と言われるが、Miracle7を混合すれば15万kmまでオイル交換が不要と、経済的な効果も大きい。
「煤煙を約80%減少させて、冬季でもアイドリングは必要ありません。燃費も向上し、CO2の排出も削減できますから、環境にもやさしいです」
続々と寄せられるユーザーからの驚きの声
ユーザーからは「加速や高速道路での燃費が格段に向上した」「エンジン音が静かになった」「排ガスの臭いが少なくなった」といった反響が続々と寄せられ、検査会社であるジャパン・アナリスト社での試験でも高い性能が証明されていることから、各地の漁業組合連合会からも引き合いが来ている。
「より品質の高い商品を提供できるよう、これからも努力していきます」
驚異的な性能でエンジンを保護する、まさしく奇跡のオイル-Miracle7は、今後もさまざまなシーンで活躍し、“奇跡”を生み出すことだろう。楽しみにしたい。