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局長に聞く68 東京都交通局長2014年07月18日号
交通局長 新田 洋平氏
東京都の各局が進めている事業について局長自らが紹介する「局長に聞く」。68回目の今回は交通局長の新田洋平氏。2020年のオリンピック・パラリンピック大会での役割と防災面の取組、ホームドアの設置など、安全・安心な都営交通の実現に向けた意気込みを語っていただいた。
(聞き手/平田 邦彦)
「おもてなし」の意識を浸透
—2020年のオリンピック・パラリンピック大会に向け、交通局の担う役割は。
大会施設や宿泊施設が集中する半径8キロメートルの地域は、まさに都営地下鉄や都営バスの営業エリアと一致します。そのため都営交通は、大会期間中における輸送の主力を担うことになります。
さらに、交通局職員は、国内外のお客様と直接接する機会が最も多く、いわば「おもてなし最前線」に立つわけで、大会成功のカギは都営交通が握っていると言っても大げさではないと思います。
昨年10月、私が交通局長に就任した直後、局内に「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会推進本部」を立ち上げ、これまで10回にわたって本部会議を開催し、議論を重ねてきました。
こうした中、大会期間中の「おもてなし」は、自ら担っていこうという意識が交通局内に着実に浸透してきていることを実感し、大変心強く思っています。
例えば、局内の表彰制度で表彰された職員と懇談した際、五輪に向けた前向きな意見が続出しました。
既に局として英会話研修をはじめていますが、「大会期間中、最低でも英語を話せるようにしておきたい」という声が自発的に出てきたことに感銘を受けましたね。
この他、外国人旅行者に対する利便性向上の取組として、無料Wi―Fiの地下鉄駅構内への導入について検討を進めております。都営バスでは、昨年度末に全車両(1452台)に導入し、外国人旅行者から喜ばれています。この取組は都営バスが他事業者より一歩先んじていると思います。
また地下鉄各駅の案内表記についても、推進本部の中で重要課題と位置づけ検討を進めています。
東京メトロをはじめ他の交通事業者と連携して案内表示の更なる充実を図ることとしています。
—燃料電池バスの実用化も目指すとのことですね。
舛添知事は水素社会の実現に力を入れています。その切り札は燃料電池車ということであり、我々の場合では燃料電池バスということになります。
現在はまだ技術の開発途上ですが、各メーカーも熱心に取り組んでおり、交通局としても平成15年度には国内初の実証実験(営業走行)に協力しました。
オリンピック・パラリンピックは、日本の技術力を世界に発信する機会でもあります。交通局としてメーカー等の取組へさらに積極的に協力し、実用化に向けて貢献したいと思っています。
新宿線にホームドア設置へ
—防災面の取組は。
都営地下鉄においては、施設とその運用、ハードとソフトの両面で安全性を強化することが必要です。
施設の安全性については、更なる向上を目指した取組を進めています。
平成22年度の段階で、阪神淡路大震災に対応した耐震性は既に確保されています。さらに東日本大震災を受け、高架橋脚と地下駅中柱の耐震補強を推進しています。これにより大規模震災後の早期運行再開が可能となります。
浅草線や三田線は、経年による構造物の老朽化が進んでいます。対策として、予防保全型管理手法に基づく長寿命化工事を行っており、これにより補修費増大の抑制などの効果も期待しています。
ソフト面では、平成18年に運輸安全マネジメント制度を導入したことで、職員の安全に対する意識が従来以上に高まりました。自然災害防止訓練、情報伝達訓練といった局の各種訓練に加え、東京メトロとの合同訓練も実施しています。
—ホームドアの設置が進んでいますね。
平成25年度までに三田線と大江戸線の全駅でホームドア整備を完了しました。これにより、都営地下鉄全106駅の61%に当たる65駅でホームドアが使えるようになりました。
残る2路線のうち新宿線は先般、相互直通運転を行っている京王電鉄との協議が整い、現在、具体的な設計に入っているところです。
平成26年度から、オリンピック・パラリンピック大会の前年である31年度にかけて整備する予定であり、新宿線での整備が終われば、都営地下鉄86駅、整備率81%となります。
—東京メトロとのサービス一体化について今後の展開は。
これまで都営交通と東京メトロとは、実務レベルで情報交換を密に行い、人的交流も含め広範な分野で連携を図ってきました。この1、2年で格段に連携が深化しており、サービスも確実に向上しています。
本年1月、国と東京メトロ、交通局・都市整備局が参加する「東京の地下鉄の運営改革会議」において中間まとめが発表されました。これにより、一つの節目を迎えることができたと思いますが、今後は、これまでに培った良好な協力関係をさらに深化させ、一層のサービス改善に努めていかなければならないと気持ちを新たにしています。
早速この4月には、東京メトロ全9路線と都営地下鉄全4路線が乗り放題となる東京メトロと都営交通の共通乗車券「Tokyo Subway Ticket」を発売しています。
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