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局長に聞く66 知事本局長2014年05月20日号

 
順調に滑り出した舛添都政
知事本局長 中村 靖氏氏

知事本局長 中村 靖氏

 東京都の各局が進めている事業を局長自らが紹介する「局長に聞く」。66回目の今回は知事本局長の中村靖氏。知事本局は知事のトップマネジメントを補佐し、重要な施策の企画立案・総合調整、都市外交などを担当する、いわば「都庁官房」。就任してからの舛添知事の印象、長期ビジョンについてお話を伺った。

(聞き手/平田 邦彦)

12月に「長期ビジョン」を策定

—舛添知事が就任して2ヵ月あまりが過ぎました。

 今年2月の都知事選で当選し、来年度予算案をまとめ、ロシアのソチに行き、議会での予算審議を乗り切り、慌しい2ヵ月でしたが、非常に長く感じましたね。それでも、議会との関係も含め、舛添都政は順調な滑り出しをしたのかなと思っています。

 舛添知事は非常にタフな方ですね。4月からは都内各地で視察を行っています。最初は多摩地域で、防災基地や病院施設を見学。その後、江東区で河川の防災対策、荒川区では木造住宅密集地域などを見ています。

 こうした視察の成果なども踏まえ、12月には長期ビジョンを策定します。これも急がないと間に合わないので各局に既に指示を出しました。

 知事のモットーは「万機公論に徹する」ですから、タスクフォースを立ち上げ、様々な意見を取り入れています。国家戦略特区での議論が進んでいますが、交通政策、福祉施策なども取り上げることになります。

 これらの取り組みは第一回定例会で来年度予算についての審議が行われている最中にやっています。本当にタフだなと。それでも、まだトップスピードになっていない印象です。

—舛添知事に対する評価はどこで伺っても非常に高いです。

 頭の回転が速い方ですね。

 今年度予算の知事査定の際、政策に対する議論をしたのですが、知事は我々職員と話していても政策的な会話が成り立つのです。

 知事は福祉や医療については大臣経験もありプロです。すぐに本題に入れる強みがありますね。問題の本質をすぐに理解してくれるので、助かります。

 一方で、私達職員ももっと勉強しなければならないと感じています。

—2020年のオリンピックも控えていますから、やるべきことは沢山あります。

 2020年までは時間が限られています。スピード感を持ってやらなければ間に合いません。目標に向かってどのように実効性のある方法で到達するのかが問われます。

 12月にまとめる長期ビジョンは、首都東京に相応しいものにしたいですね。

—東京を世界一の都市にするための具体的な長期ビジョンの内容というのはこれからでしょうか。

 世界一の都市をどのような形で示すかは、これからの議論になると思います。

 例えば「世界一安全な都市」といった場合、防災面では、木造住宅密集地域をどのように解消するのかが大きなポイントになります。

 交通施策では、交通の利便性が世界各都市と比較され、ランク付けされますので空港へのアクセスもカギになるでしょう。福祉の分野では待機児童の解消などがあげられます。

 

北京訪問で都市間外交にも道

—ビジョンでは工程表をまとめるとのことですが。

 こうした各分野の課題解決に向けた工程表をまとめ、いつまでにどうするかを示します。実行し結果を出すことが求められます。少なくとも、9月には長期ビジョンの中間まとめを出し、基本方針を示したいですね。

 待機児童の解消については4年間でゼロにするわけですから、工程表ではどのような形でそれを実現するのかを示さなければなりません。特別養護老人ホームでも同様です。高い数値目標に対して、確実に達成できる方法も含めて議論していきます。

 長期計画にあがった政策は確実に予算に反映されることになります。来年度予算は舛添知事が最初から策定に関わる予算となりますからね。知事の熱い思いが鮮明に出ると思います。計画と予算が一緒になった形で、議会にしっかり示したいです。

—舛添知事が北京を訪問しました。18年ぶりの訪問ですね。

 4月24日から北京市を訪問しましたが、知事は当初から「中国との関係を改善したい」と言っておられましたね。王安順北京市長と会談し、PM2・5の環境問題で協力を推進することで一致しています。

 東京都の呼びかけで平成13年に、アジア大都市ネットワーク21が設立されました。これはアジア諸国の首都や大都市の連携を強め、国際社会におけるアジアの地位を高めるためのものですが、平成17年に北京市が脱退してしまいました。外交は国の専管事項ではありますが、都市 レベルでの交流はあって然るべきだと思います。今後、解決に向けて両都市間で検討されることになると思います。

—局長室にはZ旗が飾ってありますね。

 日露戦争における日本海海戦で戦艦三笠が掲げた旗です。「皇国ノ興廃、コノ一戦ニ在リ。各員一層奮励努力セヨ」という訓令が有名ですね。

 この訓令はイギリス海軍で、フランス・スペインと戦ったトラファルガー海戦でネルソン提督が発したものを土台にしているようですが、元々の意味は「英国は各員がその義務を尽くすことを期待する」というものです。自らの職務に対する戒めとすると同時に、職員にも新年挨拶で述 べました。

 

 

 

 

タグ:知事本局

 

 

 

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