HOME » サイトマップ » 局長に聞く INDEX » 局長に聞く63 東京都主税局長
局長に聞く63 東京都主税局長2014年02月20日号
東京都主税局長 影山 竹夫氏
東京都の各局が行っている事業のポイントを紹介してもらう「局長に聞く」。63回目の今回は主税局長の影山竹夫氏。納税者の利便性を高め、徴収率の向上に取り組む他、都が進める施策を税制面から後押しする役割も担っている。また人材育成も重要な課題だ。今後の取組についてお話をうかがった。
(聞き手/平田 邦彦)
徴収率向上に創意工夫こらす
—東京都で唯一の歳入所管局ですね。
主税局は唯一の歳入所管局として、都財政を支えることが一番の責務です。平成26年度の都税収入は、景気の回復が当面続く影響で4兆6698億円と、3年連続の増収となる見込みです。これは、東京都一般会計予算の約7割に当たります。
強固な財政基盤を構築することは、都政が直面する様々な課題に対応するためにも不可欠です。局一丸となって都税収入の確保に取り組む決意です。
—具体的な取組は。
徴収率の向上のため、これまでコンビニ収納をはじめ電子納税、自動車税のクレジット納税等、納税者の利便性向上を図る取組を進め、納期内納税の促進を図ってきました。
滞納の場合には納税者の実状に細かく配慮した上で、納税に誠意のない場合は、法に従った厳正な滞納処分を行っています。
効率的かつ効果的に滞納整理を進めるため、インターネット公売や自動車のタイヤロックなど、全国に先駆けた様々な手法を活用しています。
その結果、平成24年度決算における徴収率は、個人都民税を除いた一般分で98・5%と過去最高となり、滞納繰越額も平成以降最少となる252億円にまで圧縮しています。
今後も創意工夫を凝らした取組で徴収率の高水準を維持、向上させていきます。
一方、区市町村で課税・徴収している「個人都民税」の徴収率は92・3%であり、都税徴収率(平成24年度決算で97・3%)と比べると依然として乖離があります。
東京都では島しょ地域を含む各区市町村からの徴収に関する困難事案の引き受けや、都職員の派遣、各区市町村からの研修生の受け入れ等で徴収率向上を図っています。
また、都と各区市町村では、平成24年度に「個人住民税徴収対策会議」を立ち上げると共に、毎年12月を「オール東京滞納STOP強化月間」と位置付け、都全域で徴収対策に取り組むなど、連携を強化しています。
これらを推進した結果、平成19年度以降低下を続けていた個人都民税の徴収率は、平成24年度決算で5年ぶりに前年を上回りました。
不燃化の取組を税制面から支援
—与党の税制改正大綱が発表され、地方法人課税が見直されますが。
法人事業税の暫定措置については、消費税を含む税制の抜本改革までの措置という当初の約束が守られず、地方税への復元が一部に留まりました。これは大変遺憾なことです。
法人住民税の一部を国税化し地方交付税原資とすることは、地方分権に逆行するばかりか、地方交付税への依存度を高め、不交付団体を増やすという政府の方針に反するものです。その影響は区市町村にも及び、承服できるものではありません。都市の財源を不合理に奪い、地方に配分したとしても、地方が直面する課題の本質的な解決にはつながりません。
法人事業税の暫定措置を撤廃すると共に、新たな財政調整が行われないよう、国に対して引き続き強力に働きかける必要があります。都議会と一体となり区市町村とも手を携えつつ、愛知や大阪等都市部の自治体とも連携する必要があるでしょう。
—今年度創設された不燃化特区支援税制についてお聞かせください。
この税制は、燃え広がらないまちづくりを税制面から支援するために創設しました。
具体的には不燃化特区内で木造から建て替えた耐火・準耐火構造住宅を対象に、固定資産税と都市計画税を5年間全額減免するものです。また、延焼のおそれのある老朽住宅を除却し、空き地を適正に管理した場合、土地にかかる固定資産税等を小規模住宅用地並みに5年間軽減します。昨年18の地区が特区に指定され、早ければ平成26年度から減免が適用されます。
主税局は区や都市整備局等と連携し地域住民への周知を図ります。
—職員は税のプロですね。人材育成のコツは。
主税局の職員は、適正・公平な課税・徴収を通じて都税収入の確保に取り組む強い使命感を持つ、「税のプロ」であり続けなくてはなりません。
ここ数年、ベテランの大量退職が続く一方で、毎年100人を超える新規採用職員が配属されています。中堅・若手が中心となって支え、引っ張っていく組織への重要な転換期といえるわけです。
主税局では今年度、5年ぶりに「主税局人材育成方針」を改訂しました。税務の専門知識を確実に継承、深化させると共に、職員の意欲と能力を最大限に引き出して資質の向上を図り、納税者の皆様に信頼していただける「人づくり」を行っていきます。
タグ:東京都総務局 防災 災害対策 大島復興