HOME » NEWS TOKYO バックナンバー » 第34回 のらぼう菜
第34回 のらぼう菜2014年02月20日号
取材/細川奈津美
取材協力/江戸東京・伝統野菜研究会代表 大竹道茂
大竹道茂の江戸東京野菜通信 http://edoyasai.sblo.jp/
三鷹の若手農家たちがグループで取り組む伝統野菜 のらぼう菜
「のらぼう菜」は、西多摩地方で古くから栽培され、春の訪れを告げる地元特産の野菜として知られている。こののらぼう菜を三鷹市でも取り組もうと、平成24年に市内の若手農業後継者たちで「三鷹江戸東京野菜研究会」を立ち上げたのが冨澤剛さん(40)だ。
「もともと伝統野菜には興味があったんです。2月から3月の端境期に何かできる野菜はないかと考えていたときに、のらぼう菜を育ててみようと思いつきました」と冨澤さん。五日市の中でも良い品種を育てている農家から種をもらい、研究会のメンバーでそれぞれ取り分けて栽培している。
「グループで栽培するメリットは皆で情報を共有できること。こんな方法がいいとか、こうしたらもっと美味しいものができるなど、情報交換をして栽培技術の向上に役立てています」
冨澤さんたちののらぼう菜は、すべて露地栽培。おもにJA東京むさし三鷹緑化センターの直売所と学校給食用に出荷されている。
地域の人々に、もっとのらぼう菜を知ってもらおうと、昨年の3月には、同センターで「のらぼう市」を開催。パッケージにオリジナルのシールを貼ってアピールし、好評だったという。今年も開催する予定で企画中だ。
研究会のメンバーは現在11人。のらぼう菜のほかに下山千歳白菜、伝統大蔵大根、亀戸大根なども手がけている。
「私たち共通の願いは、“東京に農地を残したい、そしてその東京にまつわる伝統野菜を作り続けていきたい”ということ。一人でも多くの人に、こうした伝統野菜があるということを知ってもらうために、できることを少しずつ進めて、いずれは三鷹市の特産品にしたいんです」
若手農家たちの熱い思いをのせた、のらぼう菜の出荷がまもなく始まる。
タグ:江戸東京野菜 のらぼう菜