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NIPPON★世界一 The60th2013年08月20日号
Global ACE/JAOS
日本にある世界トップクラスの技術・技能―。それを生み出すまでには、果たしてどんな苦心があったのだろうか。ニート(若者無業者)が社会問題化して久しく、学生の就職率も低下の状況が続くなか、就職できない若者の新たな選択肢となるプロジェクトが厚生労働省委託の元で動き始めた。その中核となるのは、海外留学。国際交流経験を活用したキャリア形成を一貫してサポートしていく。
(取材/種藤 潤)
8月某日。東京・渋谷のセミナールームでは、総勢20名ほどのキャリアカウンセラーが集い、講師による留学先でのカウンセリングの話に熱心に耳を傾け、メモを取る姿が見られた。
講師の話が終わると、実践を想定したロールプレイングに。参加者が、それぞれ留学する若者役、キャリアコンサルタント役に扮し、留学中の悩み相談が行われた。
「今までもキャリアの相談は受けてきたけれど、留学先での相談ということで、少し焦ってしまいました」(コンサルタント役)
「もっと突っ込んでアドバイスしてもらっても良かったかもしれない」(若者役)
彼らはこの研修を経て、『Global ACE』の専属キャリアコンサルタントとして、実際に留学する若者のキャリアサポートを行っていくことになるという。
「キャリアカウンセラーが留学の意味などを学ぶことで、留学経験を生かした就職を実践的にサポートできるプロが誕生します。彼らの存在なくして、『Global ACE』の事業はあり得ません」
この事業を運営する一般社団法人JAOS海外留学協議会(以下JAOS)事務局長の林隆樹さんは、『Global ACE』における彼らの重要性を強調する。
渡航前~渡航中~帰国後と一貫してキャリア形成を支援
『Global ACE/平成25年度 勤労青少年の国際交流を活用したキャリア形成支援事業』とは、厚生労働省の委託事業として発足した、海外インターンシップやワーキングホリデーなどの国際交流の経験を、就職に活かすプロジェクトだ。これまでも海外経験を就職につなげることは珍しいことではなかったが、それを渡航前~渡航中~帰国後と一貫してキャリア形成に特化し、サポート体制を構築していくことが、この事業の最大の特徴だという。
「専属コンサルタントにより、渡航前には対面コーチングを行い、能力開発計画を作成。渡航中は能力開発に関する質問をウェブを経由して回答します。そして帰国後は再び対面コーチングで海外体験を振り返り、ジョブカードを作成、実際の就職活動を応援していきます。こうした徹底したキャリア支援を無償で行っていきます」(林さん)
次代を担うグローバルな人材を育むしくみ
JAOSは、留学関連の企業や団体により形成される組織で、1991年に設立した経緯を持つ。
「かつて事業者が乱立し、留学そのものの信用がゆらいだ時期がありました。そうしたなかで、信頼ある留学会社や団体が中心となり、商品の売り方や表示方法など、一定のガイドラインを設けようと立ち上がったのがこの団体です」(林さん)
JAOS創設期より関わる林さんは、留学の経験は確実に、これからの国際社会で必要な能力を与えてくれると、太鼓判を押す。
「海外経験は、国際感覚が身に付くのはもちろん、世界における日本の立ち位置も見える。それに海外に知人ができることは、すなわち国際的な友好関係の礎もできる。これから必要とされるグローバルな人材の要素が凝縮しているのです。ただそれが実践的に就職につながる仕組みがなかっただけ。『Global ACE』がその第一歩になることを願います」
就職ができない若者の新たな選択肢に
『Global ACE』は、海外に興味がある若者はもちろん、就職そのものができない若者もぜひチャレンジしてほしいと、『Global ACE』のアドバイザーを務める石川桂さんは、熱を込めて語る。
「ニート(若者無業者)が社会問題化して久しいですが、彼らが変わるには環境を変えるしかない。それには留学は最善の方法なのです。知り合いが一人もいないなかで、一から自分を見つめ直し、何がしたいのかを考える。新しい自分の可能性も見えてくると思います」
定員は先着順に総勢400名を予定。詳しい仕組みや募集要項については、以下URLを参照のこと。http://www.globa-ace.jp
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