![環境](/assets/images/common/w_tm06.jpg)
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第21回 365日休まず出荷される
ルッコラ
取材/細川奈津美
取材協力/江戸東京・伝統野菜研究会代表 大竹道茂
大竹道茂の江戸東京野菜通信 http://edoyasai.sblo.jp/
![矢ケ崎さん栽培のルッコラ。](/assets/images/201301/0703.jpg)
「ルッコラを基盤として、他にもいろいろなものに挑戦したい」と矢ケ崎さん。
西東京市南町の農家、矢ケ崎宏行さん(48)は、22歳の時に就農。50a(5000㎡)の畑と大小12棟のビニールハウスで代々続く農業を引き継いでいる。主軸となっているのはルッコラ。栽培を始めて10年になる。
「それまではチンゲン菜を栽培していたんですが害虫処理が大変で……。何かほかに代わるものはないかと考えて、当時はまだそんなに栽培しているところも少なかったルッコラに目をつけました」と矢ケ崎さん。今では近隣のスーパー約15店舗と契約し、毎日200束を出荷している。
このほか、この時期にはめずらしいスナップエンドウや鍋物には欠かせない春菊、レストランなどで使われるプチヴェール(結球しない芽キャベツ)など、季節に応じた野菜数十種類を栽培。昨年、江戸東京野菜コンシェルジュ育成講座を受講、三河島菜、のらぼう菜、亀戸大根など江戸東京野菜も栽培し始めている。
「これを作ってほしい、と持って来られたものは、どんなものでも引き受けるつもりでいます。それを見て誰かがまたやってみようと思うかもしれない。そうやってこの地域に新しい取り組みが広がっていけば」
![西東京市矢ケ崎さんの畑](/assets/images/201301/0702.jpg)
春菊は11月から2月ころまで毎日収穫
最近はスーパーへの出荷以外にレストランへ野菜を届ける機会も増え、自分が作った野菜を使ってくれる人と直接会って話ができるのが嬉しいと話す。
「新しいものに取り組むことは失敗も多いけど、どんなものができるんだろうっていう思いのほうが強くて楽しいです。馬込三寸人参は今回種取りが初めて。研究のために本を2冊も買っちゃいました(笑)」と矢ケ崎さん。楽しまなくちゃね、と笑顔で応える頼もしい篤農家がまた一人、ここにいた。