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環境
2012年4月20日号


第12回 東京の農地を守る役目も担う
キャベツ

取材協力/江戸東京・伝統野菜研究会代表 大竹道茂
大竹道茂の江戸東京野菜通信 http://edoyasai.sblo.jp/

 

10代続く井口農園の農地は2町(約2万㎡)。夫人、息子さんとともにキャベツを中心にダイコン、サトイモ、ブロッコリーなどのほか、区からの委託を受け練馬大根も栽培している

 季節に合わせた品種があり、一年を通して出荷されているキャベツ。今出回っているのは葉質がやわらかく、生でもおいしく食べられる春系キャベツだ。

 都内では練馬区がキャベツの大生産地で、井口農園の園主・井口良男さんも30余年にわたってキャベツを作り続けている。取材時はちょうど定植時期の真っ最中。5月末に出荷するための早生のキャベツを植えつけていた。

 「早生・中生・晩生というように栽培時期と品種を分け、長期間出荷できるようにしています」と井口さん。年間で1万2000ケース(約9万6000個)のキャベツを市場に出荷しているほか、学校給食用にも提供している。

現在定植中の早生用キャベツの苗

 「30年ほど前は都内で200万ケースのキャベツが作られていましたが、いまでは4分の1。練馬区のキャベツ専門農家も100軒いたのが30軒ほどになってしまいました」

 仲間や規模の減少を危惧する井口さんは、区内のキャベツ、特に早生をさらに美味しくして、東京のキャベツを再認識してもらおうと、地域はもちろん区外の農家も交えて糖度が高い品種の改良に取り組んでいる。

 

苗はビニールハウスで育成し、葉が5~6枚になると植えられる

 「自分だけが売れるものを作っていては仲間が減っていく一方。比較的栽培が簡単なキャベツは農地を維持していくには向いているんです。良い品種を皆が統一して作れるようになれば、次の世代へ残すことができます」

 農地を残すことは家業の継承だけではない、という井口さん。都市部に少ない広い敷地は、災害時の避難場所としても役立つ。地域へ貢献することも都市農家の重要な役割だと話していた。

 

 

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