NIPPON★世界一 (42)
●株式会社リンク・ソリューション(販売) ●台東区寿
●2008年11月設立 ●従業員14名
省エネガラスコート
株式会社リンク・ソリューション
日本にある世界トップクラスの技術・技能-。それを生み出すまでには、果たしてどんな苦心があったのだろうか。
この夏、電力不足の影響から節電が推進されているが、オフィスを中心とした節電対策のひとつとして、窓遮熱に注目が集まっている。関連するさまざまな製品のなかで高いシェアを誇るのが、リンク・ソリューションが販売する「省エネガラスコート」だ。
(取材/種藤 潤)
こぶし大ほどの白熱電球。電源をつけて手をかざすと、かなりの熱を感じる。そこに何も処理しないガラスを置いても、熱さはほぼ変わらず。しかし「省エネガラスコート」を施したガラスを置いてみると、熱さはほぼ半減した。
現在この製品の販売を手がけるのがリンク・ソリューション。同社はそもそも、大手企業のコストダウンのマネジメントを展開する企業だ。印刷代、コピー費用、通信費から郵便代、電気代、ガス代、水道代、ITツール、その他営業管理費にいたるまで、経営にまつわるあらゆるランニングコストを見直し、コストダウンの導入プロセスを代行する。
その業務の一環として、予てより夏の電気代コストダウンを目的とした窓遮熱に着目。さまざまな関連製品が販売されるなか、「省エネガラスコート」に行き着いた。同社代表取締役の鈴木康則氏は言う。
「多くの他社製品と比較しても、この製品は高い遮熱性があり、かつガラスの透明性も確保できる。我々の考えるベストの製品だと感じました」
ちなみに第三者機関による同条件下で実施した比較実験では、他社製品に比べ最大8度以上の遮熱効果がみられた。
高い遮熱効果はもちろん現状復帰できる強みも
窓遮熱の関連製品は、大きく分けてフィルムをガラスに貼り付けるタイプと、遮熱剤をガラスに塗布するタイプのふたつに分けられる。「省エネガラスコート」は後者に属するが、そのコーティング手法に大きな特徴がある。
「他社がスポンジや吹きつけ、垂れ流しなどで塗布するのに対し、『省エネガラスコート』は独自のローラースポンジを用います。これにより、塗りムラが少なく液だれも防げ、簡単に早くきれいな状態で塗布することが可能です」
さらにこの製品にしかない特徴がもうひとつ。容易に剥離ができることだ。
「専用の剥離剤による作業で、簡単に塗装剤をはがすことができます。ローラー施工のための商品よりも失敗による塗り直しが少なく、また失敗しても再施工が容易なために、結果的に施工コストを抑えることができます」
実際に価格を比較しても、他社製品より1~2割安い。効果が高く、使いやすく、かつ低コスト。現在シェア7割を超えるというのも納得だ。
今夏の「節電」の影響で昨年比売上は10倍に
メーカーに近い立場で責任を持ってサービス提供を行うという方針に基づき、単なる販売代理ではなく、メーカーの直販部という役割を担っている。今では全国の代理店開発も行う。そうしたなか、販売開始から約1年経った今年3月11日、東日本大震災が発生。その影響から日本全体が夏の節電に取り組むことになり、特に大手企業は電力15%削減を義務付けられ、節電対策が急務となった。それが想定外の追い風となった。
「夏の節電はクーラーを省エネタイプにしたり、設定温度を上げたりと、さまざまな方法がありますが、窓遮熱にも着目が集まり、『省エネガラスコート』への注文も増加しました。まだ扱って1年ですが、昨年と比較して10倍の売上を達成しました」
窓断熱のシェアそのものを広げていきたい
「現在夏の節電の一環で普及していますが、断熱効果から冬の暖房対策にもなります。その他結露も防ぎ、紫外線もカット。より多くの効果を理解いただくのも、我々直販メーカーの使命です」
すでにオフィス、工場、公共施設、娯楽施設、電車など、多様なシーンで「省エネガラスコート」は導入されているが、まだまだ窓遮熱コートという概念自体の認知度が低いと、鈴木氏は実感をこめて語る。
「オフィスのコスト削減でお付き合いしているお客様に、窓遮熱コートの話をしても皆さんご存じありません。でも実際『省エネガラスコート』を紹介し、低コストで高い節電効果があると理解していただくと、皆さん積極的に導入を検討してくださいます。その魅力をより多くの企業様に広めるべく、新たな取り組みも予定しています」
我々がさりげなく接する窓に「省エネガラスコート」が施されていることが、今後増えていきそうだ。
株式会社リンク・ソリューション
全国から確かな価値あるソリューションを常に発掘・吟味し続け、大手企業のコストダウンに貢献する。売上拡大のソリューションも提案している。
http://www.linksolution.co.jp/