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技術日本一
2011年5月20日号

 

NIPPON★世界一 (40)

● 株式会社エム・ティー・エイ ● 1990年設立 
● 墨田区八広 ● 従業員数5名

アルカリカルシウム剤 ハイモア

株式会社エム・ティー・エイ

 日本にある世界トップクラスの技術・技能-。それを生み出すまでには、果たしてどんな苦心があったのだろうか。
 このコーナーの8回目に紹介した、アルカリカルシウム剤「ハイモア」が、新たな形で脚光を浴びている。放射性物質除去の効果に注目が集まり、実用に向けた動きが進んでいるというのだ。改めて社長の宮崎達氏に、「ハイモア」の実力をうかがった。

(取材/種藤 潤)

 

 「放射性物質による出荷停止騒動が起こってから、4件のテスト依頼が来ました」

 福島第一原子力発電所(以下福島第一原発)から漏れ出した放射性物質により、近隣の農作物の放射能濃度が上昇。出荷停止命令が下り、食品流通は混乱した。農家はそうした野菜をどう処理すればいいのか頭を抱えている。

 その救世主として注目されているのが、このコーナーの8回目に登場したアルカリカルシウム剤「ハイモア」である。

 実際に依頼のあったケースでは、1000倍に希釈した「ハイモア」水溶液に放射能汚染が確認されたほうれん草を入れ、3分間浸漬する処理を実施。すると放射性セシウム等放射性物質が半減する結果が出たという。

 

放射能汚染にあった野菜の放射性物質を軽減

代表取締役社長の宮崎達氏

 代表取締役の宮崎達氏は、「ハイモア」には放射性物質を軽減する効果があることを10年前から提唱していたという。

 「当時はなかなか信じてもらえませんでした。数値として証明するにも、放射能汚染している物質そのものが世の中にほとんどなかった。しかし今は、残念ですが実証する対象がたくさんあります」

 最近では、食物だけでなく汚染土壌に対しても放射性物質半減に効果があることが実証されたという。この「ハイモア」により放射能汚染問題を解決し、風評被害に悩む農家や購入に不安を覚える消費者の力になりたいと、宮崎氏は熱く語る。

 

廃材を利用して環境、生態に良いものを作る

 「ハイモア」は、貝殻焼成カルシウムによる高い抗菌力により、防カビ、防腐、防錆効果を発揮、多機能な環境改善剤として用いられている。さらに天然素材を用いていることから、厚生労働省、農林水産省、さらにWHO(世界保健機構)など国際機関に食品添加物として認定。体内に取り入れても無害であるため、農家や食品加工会社、生鮮市場など食物を扱う場面においても、鮮度保持、褐変防止に活用されている。

共に4日間経過したレタスだが、左は水道水、右は1000倍希釈のハイモア水溶液に漬けたもの。芯の部分の色からわかるように、その鮮度の違いは明らか

 「ハイモア水溶液の噴霧、浸漬、洗浄により、食物の表面にハイモアバリアを形成、酸化を防ぎます。また、食物にハイモア水溶液が浸透することで、抗菌、防腐、鮮度保持を実現します」

 さらに「ハイモア」は、有害物質除去作用も高く、前出の放射性物質だけでなく、環境ホルモンや有機化学物質、農薬、変異原物質(俗にいう発がん性物質)除去の効果も確認されている。

 「ハイモアの活躍の場はまだまだ広がるはずです」

 宮崎氏は、確信を込めてこう語った。

 

環境、生体に良いものを世の中に提供したい

鮮度維持はもちろん、成長を促進する効果もハイモア

何もしていないもやし(左)とハイモア水溶液に漬けたもやし(右)。鮮度維持はもちろん、成長を促進する効果もハイモアにはある

 今から約20年前、宮崎氏は「環境、生体に良い製品を提供したい」という思いから商品化に着手。専門家ではないので、理科を一から勉強し直し、10年を超える歳月を経て、「ハイモア」を完成させた。

 「貝殻に着目したのは、昔漁師の人が焼いた貝殻で魚を長持ちさせていたのを思い出したのがきっかけ。とはいえ、単に貝殻を使えばいい訳ではありません。使う貝殻もホタテやホッキなど限られた種類のみに効果があり、処理する際の焼く温度や、粒子の細かさなどさまざまな条件が整ってこの製品が誕生する。その条件をひとつひとつ検証し、形にするのは大変でした」

 貝殻に着目した“閃き”とそれを形にする実直な“努力”。そして専門家ではない人間が抱いた純粋な“想い”。この3つがひとつでも欠けていたら、「ハイモア」は実現しなかったのかもしれない。

 

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