NIPPON★世界一 (35)
●株式会社ボンズ
●新宿区左門町 ●2009年設立
カンファ水
株式会社ボンズ
日本にある世界トップクラスの技術・技能―。それを生み出すまでには、果たしてどんな苦心があったのだろうか。
現在新たな衛生管理の担い手として、「カンファ水」という商品が注目を集めている。高い殺菌・消臭能力を持ちながら、人体にも安全。これからの季節に気になるインフルエンザ予防にも、高い効力を発揮することが期待される。
(取材/種藤 潤)
訪れたオフィスは、心なしかすがすがしい空気が流れているように感じた。そこには今回取材する「カンファ水」を薄めて噴射する「Ecolle ビズ」が設置されていた。
「この機械で『えこる水』(噴射タイプの商品名)を噴霧するだけで、室内は衛生的な空気が保たれています。さらにこの空気を吸い込んでいる時点で、私たちの器官も殺菌されているんですよ」
そう語るボンズ代表の斎藤謙一氏は、自宅でもえこる水を使用している。昨年猛威を振るったインフルエンザにお子さんがかかったそうだが、えこる水を噴射していただけで、家族への感染はなかったという。さらに驚いたのが、このオフィスが喫煙可であるということ。タバコ臭さは一切感じられなかった。
「消臭効果の高さも、カンファ水の特徴のひとつです」
喫煙者である斎藤氏は、自信を持って語る。
プロが認める新衛生殺菌・消臭水
カンファ水とは、殺菌効果の高い薬剤として知られる次亜塩素酸ナトリウムと希塩酸を安全かつ安定的に混合することで、高い殺菌・消臭効果を発揮しつつ、かつ短時間で効果が現れ、さらには人体に無害で安全であるという、全く新しい衛生殺菌水である。各種専門機関で科学的効果が立証されており、2004年には東京都ベンチャー技術大賞激励賞を受賞している。
「次亜塩素酸ナトリウムと希塩酸は、本来混ぜると有毒ガスが発生し危険でしたが、商品開発をしたハセッパー技研の特殊製法により、希釈混合することに成功しました」
ハセッパー技研では、これまでカンファ水を生成する装置「カンファミキシノーヴァ」を業務用に展開。高い殺菌効果と即効性、安全性が評価され、多くの大手食品メーカー、飲料メーカーで導入されるほか、生活環境の衛生面を高めるために、病院の生活水にも利用されている。
自分で使ってみて効果の高さに納得
「カンファ水と出合ったのは約2年前。優れた商品だと思い、販売のお手伝いをしようと考えました」
興味を持ったことはとことん調べなくては気が済まない性格。調査してみると、その効果が非常に科学的合理性に適ったものであり、同時に自分で使ってみても、驚くほど効果が実感できた。
「まな板や包丁の食中毒予防、風呂場のカビ防止など生活のあらゆる場面でカンファ水は使用できます。特にこれからの季節、風邪やインフルエンザ予防としてマスクに噴射して使ってみてください。効果が実感できると思います」
適切な衛生管理にカンファ水は有効
斎藤氏は、現在カンファ水をパッケージした「カンファスイ」やカンファスイを薄めて噴射する「えこる水」などを販売。まだ1年足らずだが、既に病院、飲食店、オフィス、美容室など、活躍の場は徐々に広がりを見せている。
「これからは、インフルエンザなどのウイルス感染拡大の危険性の高い、学校や交通機関などに積極的に導入してもらえるよう提案していきたいと思っています」
ただ、未だに殺菌・消臭というとアルコールのみ受け入れようとする傾向が強いという。アルコールの効果を認めつつも、適材適所で衛生管理の選択をすべきだと、斎藤氏は力説する。
「カンファ水が万能というわけではありません。衛生管理の場面によっては、カンファ水を用いたほうがいいことも多い。私が願うのは適切な衛生管理が整った社会。そこでカンファ水は大きな力を発揮すると考えています」
斎藤氏の挑戦は、まだ始まったばかりだ。