NIPPON★世界一 (28)
●株式会社購買戦略研究所 ●千代田区丸の内
●2005年設立 ●従業員数110名
購買BOPサービス
株式会社購買戦略研究所
日本にある世界トップクラスの技術・技能―。それを生み出すまでには、果たしてどんな苦心があったのだろうか。
金融と経済の中心地・千代田区丸の内にある購買戦略研究所は、設立以来、コスト削減のコンサルティングなどを行ってきたが、2008年からは、新たに購買に関するアウトソーシングサービスをスタートした。その特徴や導入効果などをご紹介していく。
(取材/袴田 宜伸)
購買戦略研究所が提供する国内唯一の総合的な購買業務代行サービスである「購買BPOサービス」は、現状の購買実態を透明化し、それを踏まえた上で購買に関する社内ルールの規定や改善、運用、組織の意識改革などをコンサルティングするが、それだけに終わらない。
手間のかかる作業をも一手に引き受け、購買業務全般を支援するのが、大きな特徴だ。
代表取締役の古市勝久氏は、こう話す。
「具体的には、取引先の調査、見積の収集に始まり、広く導入が進んでいる電子入札の運用、共同購買の実施、仕様書の作成といった業務の一切合切を代行し、3~36カ月のプロジェクト期間で購買プロセスを最適化します」
それによって、材料費や部品代などのコストダウンをはかれるのはもちろん、購買の担当者がコア業務に集中できる環境が作られるため、人件費を始めとするオペレーションコストも削減できる。
「平均削減率は、間接材で20~25%、直接材で10%です」
さらには、取引先や材料の選定もより良くできることから品質も向上。総合的に収益を上げることができるのだ。
寝る間を惜しんでさまざまな知識を吸収
購買戦略研究所のクライアントは、物流、通信、外食、サービス、製造、IT、建築と実に幅広い。しかし今でこそ各業界に精通したプロフェッショナルが多数そろい、さまざまな業種の購買を支援しているが、購買BPOサービスを始めた当初は、スタッフの数が少なく、そこまでの体制が整っていないこともあった。
そのため、新しい業界から依頼される度に、寝る間を惜しんでさまざまな知識を身につけ、必要に応じて一級建築事務所や損害保険の認可も取得。多種多様なニーズに対応した。
「今でもより専門性を高め、さらに多くの業種でご支援できるように、社内に独自の資格制度を設けたり、研修を行ったりしています」
基本的にノーリスクで腹は痛まない
また、購買BPOサービスは、完全実績型。クライアントは、削減されたコストの一部から報酬を支払うので、基本的にノーリスクで腹は痛まない。
そのため、経営者からは賛同を得やすいが、購買の担当者は保守的であることが多く、なかなか協力を得られないこともある。
「これまでの取引先とのお付き合いもありますから、最初は苦労します。でも、私たちは購買ご担当者の部下で、言わば『作業ワーカー』ですから、ご担当者のために手足を動かして汗をかくことを大切にしています」
規模や業種を問わず、より多くの購買を支援
そうした実直な現場主義の姿勢が実を結び、これまでにのべ400社を支援。購買の改革を行い、新たな利益を創出したことでクライアントからは、好評を博している。
「数字上のコストダウンが喜ばれるだけでなく、『業務の手間が減ったために品質が上がった』といった声もいただいております」
古市氏は続ける。
「今後も研鑽を続け、企業規模や業種を問わず、より多くの方々の購買を支援していきます。そしてひいては、企業間の格差をなくしていければと思っています」
大企業と中小企業が対等に立てる、公平な舞台―それを作り出す担い手としての活躍も、購買戦略研究所には大いに期待される。