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豊洲市場の開場を国が認可2018年09月20日号

 

 2年近く開場が遅れていた豊洲市場について農林水産省は10日、開場の認可を都に与えた。これで来月11日に豊洲市場が正式に開場することとなる。今後は築地市場からの移転が急ピッチで行われることになるが、一方では築地での現地再整備を望む声も一部で根強い。紆余曲折を経た上での開場となるが、豊洲市場が「安全・安心な市場」として機能することが何よりも求められる。

安全・安心な市場として整備

 豊洲市場は江東区の東京ガスの工場跡地に建設された。5街区に青果棟、6街区に水産仲卸売場棟、7街区には水産卸売場棟と管理棟が整備されている。

 農林水産省からの認可を受け、小池知事は、「国の認可も経て、10月11日には『安全・安心な市場』として開場する。開場まで約1か月と迫っており、限られた時間の中、業界の皆さまとともに移転に向けた準備を着実に進め、開場を迎えたい」との談話を発表している。

 昭和10年に開場した築地市場は、以来80年以上にわたり、都民への安定した生鮮食料品の供給という役割を果たしてきた。特に水産物では、日本のリーディング・マーケットとしての地位を築き上げ、「築地ブランド」の確立にも貢献した。

開場認可がおりた豊洲市場(提供:東京都中央卸売市場)

開場認可がおりた豊洲市場(提供:東京都中央卸売市場)

 しかし近年は、多くの施設が耐用年数を超え、狭い場内は混雑するなど、都民の期待や時代の要請に十分応えられないという深刻な課題を抱えていた。

 開場から80年以上経過して施設の老朽化が進み、建物の一部が落下する状態となり、安全性に懸念が生じていた。

 また市場は鉄道輸送がメインの時代に建てられたことから、現在の大型トラックでの搬入・搬出のスペースが不足、スムーズな車両の行き交いが困難となっていた。

 これらの課題から東京都は平成3年、現在地での再整備に着手したが、工事の長期化や整備費の増大、営業活動への深刻な影響など多くの問題が発生したことで平成8年頃に再整備工事を中断した。

 その後、平成13年12月にまとまった「東京都卸売市場整備計画(第7次)」で豊洲への移転を決定し、平成24年11月には、豊洲市場の施設計画について市場関係業界と合意した。

 平成28年の都知事選で小池知事が誕生、8月に突如、豊洲市場への移転を延期することを表明した。さらにその後、汚染された地下水の存在が明らかになり都は土壌汚染追加対策工事を実施、その結果、安全性が確保されたとして小池知事は今年7月31日、安全宣言を出していた。

 豊洲市場は、「高度な品質・衛生管理や効率的な物流を実現する首都圏の基幹市場」として位置づけられ、築地市場の開放型施設とは異なり鮮度を保つことのできる閉鎖型施設となった。また、消費者のニーズに応えられるよう、加工・仕分け・包装等ができる施設が設けられている。

 豊洲市場の開場で長年の都政の懸案がようやく片付くことになる。

 

 

 

 

タグ:豊洲市場

 

 

 

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