受動喫煙防止条例2018年06月20日号
「従業員規定」が焦点に
今定例会の最大の焦点となっている受動喫煙防止条例は、現在、国会で審議されている健康増進法の改正案よりも内容が厳しくなっていることに、飲食業界などが反発している。
最大の争点は、国の改正案では客席面積100㎡以下で個人または資本金5千万円以下について規制の対象外としているのに対し、都の条例案では従業員のいる飲食店を原則禁煙とするいわゆる「従業員規定」の部分。
知事は所信表明で、「自ら受動喫煙を防ぐことが難しい従業員や、健康影響を受けやすい子供を守るため『人』に着目した都独自のルールを盛り込んだ。まさに『健康ファースト』の政策だ」と自賛、「こうした取組みにより、規制対象となる飲食店は8割を超え、都民の健康を守るための実効性がより高まるものと考える」と効果を強調した。
一方、先月末には飲食店やたばこ販売店などの業界団体が「死活問題」だとして、知事に公開質問状を提出した。質問状では、「ほとんどの店舗を問答無用で規制しようとする知事の姿勢に強い不信感を抱く」と批判。「従業員規定」に対しては、「従業員は自分の意思で働く店を選択しており、たばこの煙が我慢できない方は、初めからそうした店で働かないか、より働きやすい店に転職する」「行き過ぎた喫煙規制で各店舗の業績が悪化し、雇用継続が困難になり、結果として従業員が守れなくなった場合のことをどう考えるのか」などと反論している。
厚生委員会で審議 参考人招致も
条例案は厚生委員会で審議が行われる。知事与党の都民ファーストの会と公明党は、昨年の第3回定例会で「子どもを受動喫煙から守る条例案」を共同提案した経緯もあり賛成の姿勢。共産、立憲も厳しい規制を評価しており、条例案は可決される見通しだ。
一方、自民は従業員規定を盛り込んだ根拠などを質していく方針だ。当初は見送りかと思われた参考人招致も実施が決まり、今後の審議が注目される。
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