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平成30年度予算を可決2018年04月20日号

 

 一般会計総額7兆460億円の平成30年度予算などを審議した第1回都議会定例会は3月29日、知事提出全議案を可決して閉会した。小池知事にとって2回目となる今回の予算は就任以来取り組んでいる「都政大改革」をさらに確固たるものにする上でも重要な予算。しかし、全会一致で可決された前回と違い、今回は自民、共産などが反対、小池知事に対する議会側の評価に大きな変化が現れる結果となり、今後の都政運営にどう影響するかが注目される。

今後の都政運営に課題も

自民が41年ぶりに一般会計に反対

 自民党が一般会計予算に反対したのは革新系の美濃部都政で野党だった昭和52年以来41年ぶり。反対理由は、知事が廃止を表明したにも拘わらず、特別顧問の報酬等(約5500万円)を予算から削除しなかったこと。知事サイドでは、使わなければ「不用額」として処理すればよいとの認識。

 しかし自民は「支出しない予算を議会に審議させるのは二元代表制を愚弄するもの」として、予算特別委員会に修正案を提出、否決されていた。

 自民の姿勢には、かつて小池知事の誕生に貢献したものの、その後の知事の都政運営を批判、知事与党の都民ファーストの会を離脱した、かがやけTokyoの2名も同調した。

 共産は前回、小池都政の福祉施策などを評価し、40年ぶりに一般会計に賛成したが、今回は知事が豊洲移転を決断したことに反発、築地市場跡地への環状2号線建設関連予算や岸記念体育館移転にかかわる疑惑を理由に反対に転じた。

 一方、都民ファーストの会は討論で「使われなかった予算が執行残として扱われることは他の予算項目と同じで、なんら問題はない」と自民の主張に反論、一般会計予算については「知事の進める3つのシティの実現に向け思い切った予算措置を行うとともに、徹底したスクラップ・アンド・ビルドが行われ、ワイズスペンディングの一層の推進が図られた」と全面評価した。

 公明も「わが党提案の私立高校授業料実質無償化拡充、市町村交付金の大幅拡充などに積極的な予算配分を行っており、メリハリのきいた予算となっている」と高く評価し、知事への接近ぶりを印象づけた。

 このほか、民進・立憲も「わが党の質問に前向きの答弁が得られた」などとして賛成した。

 一般会計に反対することは「知事不信任」にも例えられる大きな判断。都議会の勢力関係では、現行126のうち、都民ファ53、公明23、民進・立憲5、無所属2の83名が賛成、自民23、共産18、かがやけTokyo2の43名が反対という結果だった。これを与野党に言い換えると、知事与党は都議会の3分の2とみることができる。

 自民が今回、大きな決断に踏み切り、知事との対決姿勢を明確にしたことで、今後の都政運営の焦点は、キャスティングボートを握る公明が小池知事にどう臨んでいくかに集まりそうだ。

 一方、都民ファーストの会は、先の総選挙での「希望の党」の惨敗以来、支持率が低下している小池知事のもと、どれだけ存在感を示せるかがポイント。

 15日に投開票が行われた練馬区長選に伴う区議補選(欠員5名に10名が出馬)では、都民ファーストの会の公認が2名とも落選し、小池知事のお膝元ということもあり、関係者に大きなショックを与えた。昨年11月の葛飾区議選でも公認5人のうち4人が落選しており状況はかなり深刻といえそうだ。

 

 

 

 

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