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局長に聞く110 政策企画局長2018年01月20日号
政策企画局長 遠藤 雅彦氏
東京都の各局が行う事業について、局長自らが説明する「局長に聞く」。今回は政策企画局長の遠藤雅彦氏。大きな組織である東京都にとって、総合調整を担う機関が不可欠である。その役割を担うのが政策企画局だ。小池知事を支え、局として今後進めていきたいことなどを伺った。
(聞き手/平田 邦彦)
東京の強みを引き出す事業を展開
—3年ぶりに政策企画局に戻られましたが。
前回は、政策企画局ができる前日の平成26年7月15日まで、知事本局の報道担当理事として在籍していました。そういった意味では政策企画局は初めてです。
この3年の間に、小池都政が誕生しました。オリンピック・パラリンピックの開催や、その先の少子高齢、人口減少社会の到来という課題も迫ってきています。日々、新たな気持ちで臨んでいるところです。
こうした課題に対応していくためにも、知事の問題意識を的確に捉える必要があります。知事のオーダーを卵から孵化させ、ひなを各局に渡す「インキュベーター」が政策企画局の重要な役目の一つです。時には知事の考えの先回りをして対応することが必要ですね。
都庁の総合調整機能を担う政策企画局が、都政のスピード感を出していかなければならないと思っています。
—政策企画局長として、進めていきたいことは。
局の力をフルに発揮していけば、これまで都政があまり手をつけてこなかった分野でも、色々なことができると思っています。時代の動きを読みながら、東京の強みを引き出していきたいですね。
昨年11月に発表した「国際金融都市・東京」構想は、東京がアジアナンバーワンの国際金融都市としての地位を取り戻すための施策をまとめました。
英語化対応の強化、金融系外国人材が安心して活躍できる生活環境整備、資産運用業者やフィンテック産業の育成など、野心的に取り組みたいですね。民間はもちろん、海外とも連携し、着実に施策を実施していくことで、東京のさらなる成長を実現できると思います。
フィンテック、自動運転といった第4次産業革命関連の事業も進めています。都が設置した東京自動走行ワンストップセンターでは、昨年12月に、全国初となる公道での遠隔型自動運転システムの実証実験を支援しました。ほかにも、ドローンの実証実験や、多摩・島しょの新たな魅力を創出する「Nature Tokyo Experience」プロジェクトなど、民間主体の革新的な取組を後押ししています。この辺りは近未来の匂いを感じる、面白い取組です。
これらの取組を進めていくベースとして、これまでの規制を打破していく国家戦略特区の枠組みを積極的に活用したい。都は明確な目標を設定する中で、その足枷となる規制に対して具体的な緩和事項を提案しています。特区の枠組みをうまく使って、成果を挙げていると自負しています。
企業等との包括連携協定「ワイドコラボ協定」や「ホストシティTokyoプロジェクト」でも、総合調整機能という政策企画局の強みを活かし、都庁全体の旗振り役として実施していきます。
長期計画も、政策企画局の重要なミッションです。平成28年12月に発表した「2020年に向けた実行プラン」は、策定から1年が経過しましたが、ここに掲げた施策をオール都庁で進めています。
あたたかみのある職場で仕事を
—「2020年に向けた実行プラン」の進み具合は。
計画は策定後、時間の経過に晒されるという宿命を持っています。これに対応するには、実際の事業展開において、うまくいっているもの、もっと進めていくべきもの、あるいは、困難に直面しているもの、これをはっきりさせて、手を打っていかなければなりません。各年度の事業の進捗状況の把握が重要な鍵になります。このため、昨年9月には実行プランの事業実施状況レビュー結果を発表し、主な政策に係る取組状況と課題を公表しました。
また、時代のニーズに応じて、掲げた政策をさらに強化します。昨年7月には、「人が生きる、人が輝く東京へ」というタイトルで重点政策方針を定めており、これに基づいて、都庁では来年度に向けた政策や予算編成の作業が大詰めを迎えています。
2020年のさらにその先については、今まで皆が想像もしなかった未来像、大胆な発想を描くため、「東京未来ビジョン懇談会」で外部の方の力も借りながら議論を続けています。ある意味、行政らしくない斬新なアイデアを打ち出したいです。
—これまでの経験を踏まえ、職員に伝えたいことは。
相手が何を考え、どういう行動をとるか、相手が求めているものは何かを考えて仕事をすることが大事です。
総務局勤労部労務課での組合交渉や、外務部長としての海外諸都市との交流、報道担当理事としてのマスコミ対応。いずれも、相手の意を汲みつつ、あるべき方向に向かって行動するため、丁寧なコミュニケーションを地道に行うことが求められてきました。この姿勢は職員に伝えていきたいと強く思っています。私自身もいつまでも忘れずに仕事や職員に向き合っていきます。
私の好きな言葉は、「愛」です。仕事を通じて様々な人と出会う行政の世界では、「愛」が大切だと思う。良い仕事をするためにも、共に働く部下や同僚を気遣い、あたたかみのある職場をつくってほしいです。支えてくれる家族や友人への愛情、感謝を忘れないことも仕事のやり甲斐に繋がります。できれば、たまには上司にも少しだけ愛情を注いでほしいなあと(笑)。
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