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伸ばせ!健康寿命 最終回2017年12月20日号
できるだけ立ち上がろう
運動が健康づくりに必要なことは誰もがわかっています。でも、なかなか計画通りに続けられないことも多いでしょう。そんな時は、ぜひできるだけ立ち上がる習慣をつけましょう。
健康づくりには、「1日に1万歩」や「軽く息が切れる程度のペースで歩くと良い」などと言われ、それらは理想的な姿です。でも最近、これまでの考えでは「運動」と呼べないような、日常のちょっとした動作でも、健康づくりに有効なことが多くの研究で明らかになってきました。
座っている時間と、心臓や血管の病気、糖尿病、認知症、さらには死亡率などとの関係について、さまざまな研究の結果、座っている時間が長い人ほど、それらの病気に罹りやすく死亡率も高いことが明らかになってきました。また、長く座りっぱなしの生活をしている人たちも、一定時間毎に立ち上がるようにすると、長時間座ることによる悪影響が少なくなることもわかってきたのです。
ですから、日常生活で座り続ける時間を減らすように、たとえば1時間に一度は立ち上がるようにしましょう。こうすることで、さまざまな病気のリスクを減らすことができるのです。
立ち上がるという行為は、「運動」じゃないと感じるかもしれませんが、本コラムでもご紹介した、スクワットは立ったり座ったりするだけの運動です。8時間勤務で、1時間に一度立ち上がれば、1日にそれだけ運動量は増えます。そう考えると、健康に良いこともご理解いただけるでしょう。
また普通、立ち上がったら、「ついでに」ということで、トイレやその他の用事を済ませるために歩くので、結果として活動量を増やすことになるのです。
歩けない場合は、せめて立ち上がったときに全身を伸ばし、腰を回しましょう。座り続けると腰に負担をかけます。立ち上がったら凝っているところや痛むところはないか、自分の身体をチェックしてみてください。そうすることで腰痛を予防することもできます。簡単にできて、かついろいろな効果が期待できる「立ち上がる」ことをぜひ生活に取り入れてみてください。
健康寿命を延ばすには、良い習慣の継続が大切です。これまでご紹介してきたチェック方法やエクササイズなどが皆さまの健康づくりに少しでも役立つことを願いつつ、本コラムを終了させていただきます。
2年間ありがとうございました。
後藤 真二(ごとう しんじ)
スポーツクラブNAS株式会社 スポーツ健康医科学研究室 室長
大学教員を経て2008年より現職。「ココロ、ウゴカセ」の経営理念に基づき、単なる運動の場ではない、子供から高齢者まで誰もが楽しんでいるうちに健康になれるクラブづくりを目指して、安全かつ効果的で楽しいプログラムづくり、および健康セミナーや情報誌等での情報発信を担当している。教育学博士、健康運動指導士、ホームヘルパー2級。
タグ:健康 運動 体操