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伸ばせ!健康寿命 第22回2017年10月20日号
8の字ウォーク
安全に思い通りに歩くには、真っ直ぐ歩くだけではなく、止まったり曲がったりする能力が必要です。でも、日常生活では、それらをむしろ避けるのが普通なので、意識して行うことが大切です。以前に急停止はお話ししましたので、今回は曲がるためのエクササイズを紹介します。
はじめは滑りにくい平らな路面を使って、ゆっくりと行いましょう。直径5mほどの円を2つつなげた8の字をイメージします。それぞれの円の中心などに目印を置いても良いでしょう。その円に沿って、たとえば最初の円を右回りしたら、そのまま8の字を描くようにもう一つの円に沿って歩くと、左右均等に8の字に歩けます。
コースが確認できたら、だんだんとスピードを出しましょう。速く歩くとカーブでは少し身体が内側に傾く感じになるかもしれません。
スピードを上げてもうまく歩けたら、円を小さくして同様に歩いてみましょう。円が小さくなると、身体の傾きを大きくしなければならないので、くれぐれも滑らないように注意してください。
8の字ウォークをしてみると、左右の歩き方の違いに気付く方もいらっしゃるでしょう。それは左右対称に見える私たちの体に左右差があるからです。8の字ウォークを繰り返し練習することで、それを少なくすることができるので、歩いた時の感じも大切にしながら練習してください。
練習の成果を確認するためには、時間を測りましょう。8の字が早く歩けるようになったら、普段はよりスムーズに歩け、もちろん転倒の危険性も低くなっているはずです。
8の字ウォークでは、カーブのところで身体に遠心力などの力が働きます。スピードが速くなるほどそれらは大きくなる、つまりトレーニングの負荷が高まり、その違いも感じやすくなります。平らな路面だけでは単純になりがちなので、慣れた方は8の字ウォークを斜面で行ってみましょう。
カーブの頂点を斜面の上と下にして歩くと、特に下になった曲線ではスピードが出やすくなり、大きな力を感じられます。一方斜面を横切るように歩けば、曲がりながら登ったり下ったりするので、発揮する力をうまく調整しなければなりません。ぜひいろいろな方向に円の大きさやスピードを変えて行ってみてください。
ただ歩くだけなのに、自分の歩き方に面白い発見があるかもしれませんよ。
後藤 真二(ごとう しんじ)
スポーツクラブNAS株式会社 スポーツ健康医科学研究室 室長
大学教員を経て2008年より現職。「ココロ、ウゴカセ」の経営理念に基づき、単なる運動の場ではない、子供から高齢者まで誰もが楽しんでいるうちに健康になれるクラブづくりを目指して、安全かつ効果的で楽しいプログラムづくり、および健康セミナーや情報誌等での情報発信を担当している。教育学博士、健康運動指導士、ホームヘルパー2級。
タグ:健康 運動 体操