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局長に聞く107 オリンピック・パラリンピック準備局長2017年10月20日号
オリンピック・パラリンピック準備局長 潮田 勉氏
東京都の各局が行う事業について、局長自らが説明する「局長に聞く」。今回はオリンピック・パラリンピック準備局長の潮田勉氏。大会成功に向け、組織委員会との役割分担、競技施設の整備状況、ボランティアへの期待などについて伺った。
(聞き手/平田 邦彦)
五輪開催に向け関係機関と連携
—2020年大会を控えた局の役割は。
オリンピック・パラリンピックの準備が大きな役割のひとつですが、準備には様々な取組が求められます。
ソフト面では、大会を支えるボランティアの育成支援、外国からのお客様が快適に東京に滞在いただくための多言語対応、気運醸成や練習会場の提供を行う区市町村への支援、2020年大会を通じた被災地復興の支援、オールジャパンの大会として全国との連携、様々な施策を2020年以降に繋げるためのレガシーへの取組などがあります。ハード面では、新規恒久施設など8つの競技会場の整備、選手村の整備、大会関係者や観客がスムーズに移動するための輸送計画などですね。
これらの準備はオリンピック・パラリンピック準備局だけで出来るものではありません。都庁各局が2020年大会の成功に向け、また、2020年大会を契機に様々な施策を加速させ展開することが重要です。そのためにも各局と連携を密に取組を進めています。
さらに国、2020組織委員会、JOC、JPC、経済界等の関係機関と連携し準備を進めることが必要です。
—都と組織委員会との役割分担は。
都は開催都市として組織委員会が行う2020年大会の準備を全面的にバックアップするとともに、大会中の都市活動が正常に行われるよう責任をもって対策を講じます。組織委員会の役割は、大会準備と運営に主体的に取り組むことです。
一例をあげますと、例えば競技会場の整備では、都は新規恒久施設等の整備及び後利用の検討、既存都立施設の改修を担当しますが、組織委員会は仮設施設の整備を行います。
セキュリティ面では、都は開催都市として都内全域の治安・サイバーセキュリティ・災害等への対応を担います。
組織委員会は大会の会場・施設の警備全般に係る調整などが担当です。それぞれの業務は密接不可分な関係にあり、連携を密に取り組んでいます。
円滑に大会準備を進めるためには、都と組織委員会の役割と責任を明確化することが課題でした。そのため本年5月に役割分担と経費の分担に関して大枠の合意を行いました。合意により都は都及び都以外の自治体が所有する施設の仮設などや都内会場周辺に関わるセキュリティ対策等に係る経費を負担します。
—施設整備の進捗状況はいかがですか。
都は8つの競技会場を整備しており、武蔵野の森総合スポーツプラザが本年3月に竣工し、11月にオープンします。
オリンピックアクアティクスセンター、海の森水上競技場、有明アリーナの3施設については、現在、実施設計及び工事を実施中です。今年度には実施設計が完了しますから着々と工事を進めます。
これらの競技施設は、オリンピック・パラリンピックでの活用は勿論のこと、大会後に都民・国民の財産として残すことが重要です。
大会後は、スポーツはもとより、文化やレジャー、教育など幅広く活用していくとともに、周辺地域とも連携して賑わいを生み出し、広がりのあるレガシーの形成を目指していきます。そのうえで、施設運営に係る都民の負担をできるだけ抑えることが大切であり、創意工夫を凝らし、収益向上に取り組みます。
ボランティア参加の仕組みを整備
—ボランティアの募集と、期待する役割は。
大会を支える9万人以上のボランティアについては、昨年12月に策定した戦略を踏まえ、募集、育成などの具体的検討を進めます。今年度中には、ラグビーワールドカップ2019に向けて都市ボランティアの募集の一部を先行的に開始します。
年齢、性別、障害の有無等に関わらず、多くの人々がボランティアに参加できる仕組みを整えます。
障害者の参加促進に向けては、活動にあたっての配慮や支援を要する内容を事前に把握し、それぞれの身体状況に応じた適切な配置を行います。
働く世代、子育て世代の参加促進に向けては、ボランティア休暇の整備や取得を促進するほか、関係機関と連携し、託児保育サービスの提供について検討したいですね。
世界中から訪れる人たちから「東京のボランティアは凄いね」と言われるよう取り組むとともに、ソフトなレガシーとして、東京にボランティア文化を根付かせたいです。
—大会を控え都民に訴えたいことがあれば。
東京は世界で初めて2回目のパラリンピックを開催する都市です。小池知事も言うようにパラリンピックの成功なくして東京大会の成功はありえません。
そのためにも、多くの都民・国民の皆さんにパラリンピックの素晴らしさを知っていただき、パラリンピックの会場を満員にしたいと考えています。
2020年大会まであと3年を切りました。大会を成功させるためには、都民、国民の期待感を高め、自分たちの大会だと実感していただき、ともに大会を盛り上げることが重要です。大会を盛り上げる取組を進め、多くの方たちとこのワクワク感を分かち合いたいと思っています。
2020年大会が記録と記憶を残し、多くの都民・国民の心のレガシーとなるよう準備を進めます。
タグ:東京オリンピック・パラリンピック準備局 2020