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局長に聞く103 生活文化局長2017年06月20日号
生活文化局長 中嶋 正宏氏
東京都の各局が行う事業を局長自ら説明する「局長に聞く」。今回は生活文化局長の中嶋正宏氏。生活文化局は現在、小池知事の就任や五輪大会などを控え、情報公開や2020年大会に向けた語学ボランティアの育成、女性の活躍、私立学校の振興、消費者行政などの施策を推進している。進捗状況や決意について伺った。
(聞き手/平田 邦彦)
見える化で職員の意識も変化
—昨年7月に着任して1年経った現在の心境は。
生活文化局は、広報広聴、男女平等参画、消費生活、私学、文化振興など、事業内容が多岐にわたっています。どの分野も都民生活に密着した、クオリティーオブライフの向上のために不可欠な事業を行っていると感じています。
都民ファーストを掲げる小池知事はこうした事業への関心も高いので、これまでの施策の強化や仕事の進め方の改革も行いながら、取組を進めているところです。
—小池知事になり、強化している取組は。
一番は、知事が施策の一丁目一番地とする情報公開です。知事から都の情報公開の大幅な転換の方針を受けて、公文書の原則開示の徹底や、情報公開ポータルサイトによる行政情報の積極的な公表を推進しています。各局が都民の関心の高い情報を独自にホームページに掲載するなど、全庁的に情報公開の姿勢が大きく変わったと感じています。
生活文化局は情報公開の主管局ですから、先頭に立って各局の取組の徹底を促すとともに、自ら積極的な情報の公表に努めています。昨年12月に開始した局の補助金支出状況の公開は、自律改革の好事例として9月から全庁展開することになりました。
こうした取組を通じて事業の透明化が図られ、よい意味での緊張感が生まれて、局の職員たちの意識も変わってきたと感じています。
今後は、都民が行政情報によりアクセスしやすい環境を整備するため、閲覧手数料の廃止やICTを活用して公文書データを無料で提供することなどを盛り込んだ情報公開条例の改正を第2回定例会に提案しました。
—東京2020大会に向けた取組は。
多くの外国人が東京を訪れる大会開催に向けて、組織委員会の大会ボランティアやオリンピック・パラリンピック準備局の都市ボランティアをはじめ、都内の様々な場所で活動するボランティアの役割が重要となります。
生活文化局では、外国人観光客に簡単な英語を使って道案内などを行う「外国人おもてなし語学ボランティア」の育成講座を区市町村や企業等と連携して実施し、5万人を目標に育成していきます。また今年度は、時間がなくて講座を受けられない人でもスマホやパソコンで学べるe—ラーニングも開設します。
「2020年に向けた実行プラン」では、共助社会づくりのために、都民のボランティア行動者率を2020年までに40%にする目標を掲げています。大会を契機として都民にボランティア文化が定着するように活動の気運醸成や裾野拡大に取り組んでいきます。
また、オリンピック・パラリンピックは、スポーツだけでなく文化の祭典でもあります。ロンドン大会では約12万件の文化イベントが開催され、これが契機となってロンドンの世界都市ランキングを1位に押し上げました。
東京でも、2020年に向けて国内外の多くの人々が参加できる訴求力の高いプログラムを展開して、国際的な芸術文化都市として発展・発信していくとともに、インバウンド増加にもつなげていく必要があると思います。
女性の活躍を計画で後押し
—小池知事は女性の活躍にも力を入れています。
誰もが活躍できる「ダイバーシティ」の実現に向けて、とりわけ女性の活躍を推し進めることは喫緊の課題です
3月に女性活躍に関する政策をパッケージとして取りまとめた「女性活躍推進計画」を都として初めて策定しました。この計画と「配偶者暴力対策基本計画」とを合わせて「男女平等参画推進総合計画」として、関係局や企業等とも連携しながら施策を展開していきます。計画の内容は多岐にわたるものですが、できるだけ多くの都民に読んでいただけるよう、コラムや図表などを用いてわかりやすく解説したPR版の冊子を活用して広く普及していきます。
—その他の取り組むべき課題は。
私立学校の振興も都政の最重要課題の一つです。東京では高校で6割、幼稚園や専修学校に至っては9割以上が私学に通っています。今年度は、高校生等への特別奨学金の拡充や、預かり保育と小規模保育施設の卒園児受入れに積極的な私立幼稚園を「TOKYO子育て応援幼稚園」と位置付けて支援を充実するなど、新たな取組を開始します。
消費者行政では、今年度5年ぶりに「東京都消費生活基本計画」の改定を行います。
民法の成年年齢引き下げを見据えた中高生への消費者教育の充実や、環境等に配慮した持続可能な消費の普及など、タイムリーな事項も盛り込んで、都民が読んで分かりやすい計画となるよう検討を進めています。
このように、生活文化局の事業は本当に幅広いですが、都のビジョンである「3つのシティ」の実現に向けて、若手や現場職員の発想も生かしながら、局一丸となって取組を加速させてまいります。
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