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伸ばせ!健康寿命 第17回2017年05月20日号
自分にあったスクワットをやろう
本連載の第1回目に、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)のテストとして、椅子からの片足立ちテストをご紹介しました。そのテストでは、片足立ちができなかったら両足で10㎝の台から立ち上がれるか、できなければ20㎝、30㎝で可能かどうか確認することになっています。
家庭でやろうとしてもなかなかぴったりの高さの場所はないかもしれませんが、マンションの上がり框は10㎝前後、階段の段差は20㎝程度、また、一般家庭の上がり框は25㎝程でしたが最近は低くなっていますので、家庭内のこれらの場所から立てるかを定期的に確認すれば、家の中でも手軽に自分の体力を把握できます。
歩くことは片足立ちの繰り返しです。私たちの身体は左右で強さや器用さが異なるため、できれば左右それぞれの能力を把握しておくことが大切です。そこで、椅子から片足で立てない場合は、以下のテストで左右それぞれの能力を確かめましょう。ただし痛みや違和感がある時は、まず整形外科を受診しましょう。
Step1:姿勢を正して椅子に座り、片方のつま先にもう一方の足の踵を付けるように前に出して一直線にします(本連載第13回でご紹介したタンデムウォークの要領です)。両腕を胸の前で組んで、反動をつけずに立ち上がり、3秒間立ち続けられればOKです。
Step2:上手くできない時は、両足を腰幅程度に開いて椅子に座り、片足を一歩前に出して立ち上がれるか試します。
Step3:これも上手くできなかったら、足の前後差を半歩分にして同様に行います。
テストは足を左右入れ替えて行ってください。こうすると完全な片足ではありませんが、手前の足の能力を把握することができます。
以上の方法はトレーニングでも有効活用できます。歩くために重要な腿の前の筋肉を鍛える代表的なエクササイズはスクワットです。椅子からゆっくりと立ち上がったり座ったりする動作を、それぞれ3秒くらいかけて行います。ただし、立った時は膝を伸ばし切らず、腰を下ろした時にも椅子に座らず繰り返します。
筋肉を鍛えるには10回くらいで辛くなる強度が適しています。足の前後幅を調節して、10回目に近付くと、「もうできない」と感じるように行いましょう。左右それぞれ約1分です。少し大変ですが、適切な負荷は筋力を効率良く維持・向上してくれます。
後藤 真二(ごとう しんじ)
スポーツクラブNAS株式会社 スポーツ健康医科学研究室 室長
大学教員を経て2008年より現職。「ココロ、ウゴカセ」の経営理念に基づき、単なる運動の場ではない、子供から高齢者まで誰もが楽しんでいるうちに健康になれるクラブづくりを目指して、安全かつ効果的で楽しいプログラムづくり、および健康セミナーや情報誌等での情報発信を担当している。教育学博士、健康運動指導士、ホームヘルパー2級。
タグ:健康 運動 体操