障害者の雇用促進は、障害者の自立支援はもとより、誰もが共生して暮せる社会の実現のためにも、なお一層の取組みが求められている。そんな中、東京電力鰍フ関連会社「東電ハミングワーク梶vが今年7月に日野市の東京電力総合研修センター内に設置され、10月から営業を開始している。従業員数45名の内、障害者は26名、清掃や印刷の仕事に従事し汗を流している。まだ生まれたての会社だが、将来的には約90名の障害者雇用を図ろうと、今後意欲的な取組みを予定しており、関係者の期待も高い。
東電ハミングワークは、従来から障害者の雇用促進に取り組んできた東京電力が、障害者のなお一層の社会参加と自立支援を促すために設立したもの。
社名にある「ハミングワーク」には、障害者と健常者が一体となって、明るく、いきいきと仕事をしてほしいという願いが込められているという。「笑顔であいさつ」、「自分の目標にむけて挑戦」など4つの行動指針の下、従業員が懸命に働いている。当初は嘱託だが、1年後には正社員へ登用の道も開かれている。
現在、東電ハミングワークが展開する事業は、清掃事業、印刷事業の2つ。これに加え来年4月からは園芸事業を開始する予定だ。
清掃事業は、同じ敷地内にある東電総合研修センター内の清掃作業を行う。廊下や階段、トイレなどの日常清掃の他、特別支援学校や能力開発校からの実習受入も行う。
印刷事業は、東京電力本社やグループ各社から受注した印刷物の制作がメイン。ここでは印刷業務の経験がある健常者と障害者が、最新の機器を操作しながら印刷物をつくりあげている。
来年4月から開始予定の園芸事業では、敷地内に整備されたガラス温室内で花の栽培を行う。知的障害者10名がこの作業に従事し、東京電力のPR施設等での花壇設置と年6回の植替え、保守管理などを担当することになっている。
今後、働きやすい職場環境の整備などを進め雇用の確保を図るとともに、業務及び製品の質の確保、新規事業や事業拡大に向けた検討などに着手、平成25年度には約90名の障害者雇用を図る計画だ。
14日には地元日野市をはじめ、関係自治体の市長、都議会議員、福祉団体の関係者など多数が東電ハミングワークを視察した。
山崎雅男社長は「毎朝、仕事を始める前に、4つの行動指針を唱和しているが、わが社の社員は皆、使命感、責任感を持って仕事をしている。これからも関係者の皆様のご協力をお願いしたい」と、社員一丸となって今後の事業展開にまい進する意気込みを見せた。