2008年10月20日号
「振り込め詐欺の撲滅を」
北京五輪柔道谷本選手が広報大使に
高齢者を狙った振り込め詐欺の被害拡大が大きな社会問題となっているが、東京都は7日、振り込め詐欺撲滅に向けた五者宣言の採択と、北京オリンピック女子柔道の金メダリスト、谷本歩実選手の広報大使任命式を行った。
都内では昨年、3497件の振り込め詐欺が発生し、被害総額は60億円にも達している。今年は1月から8月の間に2973件(前年同期比で957件増)、被害額は約46億3000万円(前年同期比で約10億9000万円)の被害が発生し、昨年を上回るペースという深刻な状態となっている。
このため警視庁は、10月を「振り込め詐欺撲滅月間」に位置付け、高齢者への注意喚起などを実施している。
この日採択された五者宣言では、犯罪者による携帯電話やATMの悪用を見過ごさないよう、東京都及び警視庁の行政と、金融機関、電気通信事業者、フランチャイズチェーンの民間が一致協力していくことを申し合わせた。
広報大使に任命された谷本歩実選手は「被害を防止するため、家族のコミュニケーションの大切さを訴えていきたい」と抱負を語り、石原知事も「谷本選手に一回、犯人の首を絞めてもらいたい」と期待を寄せた。