2008年10月20日号
独自のBCP策定へ
「新型インフルエンザ対策会議」発足 

 発生の危険が指摘されている新型インフルエンザに対して、東京都は7日、「新型インフルエンザ対策会議」を設置、第一回目の会議を開いた。今後、都民の健康被害と社会的混乱を最小限に食い留めるために都が実施すべき対策を総合的に検討し、都独自のBCP(事業継続計画 災害発生時における事業の継続を確実にするために必要な対応策をまとめたもの)を平成21年度中に策定することとしている。

新型インフルエンザに対する都の取組みを検討した

 都が平成17年にまとめた「新型インフルエンザ対策行動計画」では、新型インフルエンザの被害について都民の30%が罹患した場合を想定。流行の後期までに約380万人の患者が発生、入院患者数約29万人、約1万4000人が死亡するとしている。

 WHO(世界保健機構)によれば、今年9月10日現在、世界における鳥インフルエンザの感染者は387人で、そのうち死亡者数は245人となっており、鳥インフルエンザが新型インフルエンザに変異する危険も拭えない。

 都はこれまでも、図上訓練の実施や対応マニュアルの策定などを行ってきたが、今月6日に閉会した都議会第三回定例会ではタミフルやリレンザといった、抗インフルエンザウイルス薬計800万人分の備蓄などを行う補正予算が成立している。

 このような状況の中、新型インフルエンザについては「来るのか来ないのか」といった段階から「いつ来るのか」という段階にシフトしてきたという声もある。

あいさつを述べる山口副知事

 「新型インフルエンザ対策会議」の座長を務める山口一久副知事は、「もはや新型インフルエンザの発生は時間の問題だ。ひとたび発生すれば、人口が集中する首都東京では想像を絶する被害が生じる恐れがあり、都が率先して具体的な取組みを提起する必要がある。都民の生命と東京の都市機能を守るため、全力をあげて対策に取り組んでほしい」と、出席者の積極的な取組みを要望した。

 会議のメンバーは、危機管理監をはじめ、都庁各局の部長級職員と警視庁、東京消防庁の職員。さらに陸上自衛隊第一師団もオブザーバーとして参加している。

 今後、「社会活動の規制とライフライン等の維持」「都政のBCPの策定」「訓練の実施」について検討する危機管理部会と、「地域医療体制の整備」、「抗インフルエンザ薬等の備蓄」、「都民の意識啓発」について検討する保健医療部会の2つの部会でそれぞれ本格的な協議が交わされることになっている。

 「社会活動の規制とライフライン等の維持」については、今後、検討委員会を設置し、来年3月に中間のまとめを公表する予定。「都政のBCPの策定」では12月に策定方針を提示、各局のヒアリングなどを実施した上で21年度中に策定するスケジュールとなっている。

 「都民の意識啓発」では11月にシンポジウムを開催するほか、12月には都内全世帯に保存用のパンフレットを配布することとしている。

アイティーコーディネート
東京トヨペット
INAX
プロバンス
光学技術で世界に貢献するKIMMON BRAND
ビデオセキュリティ
アジア教育支援の会
アルゴ
株式会社キズナジャパン
伊豆ガラス工芸美術館
株式会社 E.I.エンジニアリング
日野自動車
ナカ工業株式会社
株式会社ウィザード