2016年五輪招致への道
(10)開催地決定まであと1年
北京五輪メダリストが終結
気運の盛り上げに期待
石原知事「みんなでやろう」
来年10月2日、2016年の夏季オリンピック・パラリンピック大会の開催都市が決定するが、1年前にあたる今月2日、東京への招致に向けた気運を盛り上げようと「開催都市1年前決定イベント」が、六本木の東京ミッドタウンで開催された。北京オリンピック・パラリンピックで活躍したフェンシングの太田雄貴選手、ソフトボールの佐藤理恵選手、水泳の鈴木孝幸選手といったメダリストが出席。石原知事が開催の意欲を強くアピールすると、会場からは大きな拍手が起った。
会場となった東京ミッドタウンには、石原知事や北京オリンピックで活躍したメダリストが集まるイベントということもあって、多くの一般都民が集まった。
石原知事は北京オリンピックについて「まず(日本選手団)メダルが少ない。日本の国力からすればもっと取ってしかるべきだ」と不満を見せた。
そして「来年のきょう、コペンハーゲンで2016年のオリンピック開催都市が決定する。東京は第一次予選を通過したけれど、一番弱いのは皆の支持率が低いことだ。皆さんが『やろうじゃないか』という気持ちにならないと、IOCがマイナスの判断をしてしまい大変なことになる」と、世論の盛り上がりが招致に欠かせないことを強調した。そして最後に「やろうじゃないか、みんなで」と呼びかけると会場からは拍手が起きた。
どのようなオリンピックを開催するかとの問いについて「日本の成熟した社会を見せたい。今、東京は緑を増やそうとしており、現在47万本ある街路樹を8年後には100万本にする予定だ」と、環境に配慮したオリンピックとする意気込みを見せた。
北京オリンピック・パラリンピックのメダリストは、オリンピック招致について、「東京でオリンピックが開催されれば、マイナーな競技をはじめ、色々な競技を生で見ることができる。生の感動は一生忘れられないものだ」(銅メダリストの太田雄貴選手)、「ロンドンオリンピックではソフトボールが競技から外されてしまうが、東京オリンピックでソフトボールが復活することを願っている」(ソフトボールの佐藤理恵選手)、「パラリンピックが招致できたら、皆さんの意識面でもバリアフリーを進めてほしい。オリンピックだけでなく、パラリンピックの興奮も体験してほしい」(パラリンピック水泳金メダリストの鈴木孝幸選手)と期待を膨らませた。
応援に駆けつけた柔道金メダリストの内柴正人選手は「ソウルオリンピックで活躍した斉藤仁選手の姿を見て五輪選手になりたいと思った。東京で開催されればそんな子どもが増えると思う」と、エールを送った。