2008年4月20日号
2016年五輪招致への道
(4)地球環境への取組 世界に向けてアピール
東京都がオリンピック招致を目指すのは、単に大型イベントを開催することで、観光振興や経済活性化を図ろうという一過性の目的のためではない。開催年の2016年に向けた各種の施策展開と密接に連携していることを忘れてはならない。
2006年の暮れ、東京都は「10年後の東京〜東京が変わる〜」を策定した。東京都にとって久しぶりの長期計画となるこの計画には、オリンピック開催までの10年間に達成すべき目標が、分野ごとに示されている。
中でも最も重点が置かれているのが環境施策の推進だ。二十一世紀は「環境の世紀」とも言われ、地球環境問題への対応が待ったなしの状況にある。東京が環境負荷の少ない都市を実現し、オリンピック開催を通じて世界にアピールすることは、地球の将来にも貢献できる重要な試みなのだ。
昨年6月に公表された「緑の10年プロジェクト」では、「海の森」の整備、街路樹の倍増などの目標達成に向けた具体的な取り組みが盛り込まれ、すでにその多くに着手している。
2月開催された「東京マラソン」では、ボランティアのコートや帽子に再生素材を用いたほか、使用する電力を全てグリーン電力でまかなうなど、環境に配慮した運営が行われた。
オリンピック招致の意義は着々と実践されつつあるのだ。